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新世紀最終戦争  作者: 007
第3章 暗雲

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シャーロット大統領の計画

同じ頃ヨーロッパ合衆国でも、シャーロット大統領の招集により大統領官邸にて対策会議が開かれていた。シャーロット大統領は史上初の日欧首脳会談から帰国した後、形ばかりの取り締まりを内務大臣に対して命令した。これによりヨーロッパマフィアの拠点を警察が捜査しているという、経過報告を大日本帝国に送っていた。ヨーロッパマフィアの取り締まりは形ばかりであるが、中南米諸国からは大日本帝国と亜細亜条約機構加盟国以上に取り締まりを行うように要請が来ていた。ヨーロッパマフィアの中南米進出による麻薬カルテルとの全面戦争は、中南米諸国に混乱をもたらしていた。それが首脳会談でシャーロット大統領が取り締まると言ったので、中南米諸国が期待するのは無理もなかった。だがヨーロッパマフィアへの取り締まりは、まさに形ばかりであった。偽りの行為であり、実態はただただ時間稼ぎであった。

シャーロット大統領は閣僚達に今回の首脳会談に於ける共同声明こそ、単なる時間稼ぎであると断言した。そもそもが大日本帝国と亜細亜条約機構にヨーロッパマフィアを使って混乱の渦に突き落としたのも、時間稼ぎが目的であった。ヨーロッパ合衆国は常に1つの最終目標を掲げていた。それはヨーロッパ合衆国主導による、地球統一政府の成立であった。そもそもヨーロッパ合衆国は大日本帝国と亜細亜条約機構に対抗する為に、ヨーロッパ諸国が過去の忌まわしき歴史を全て忘れて大同団結した結果、成立した地域国家である。それ以後自分達の成功例により、地球統一政府の成立を目標とするのはヨーロッパ合衆国政府歴代の使命となっていた。それはかつてアメリカ合衆国で標榜された『明白なる使命』を復活させ、ヨーロッパ合衆国のスローガンとして使用する事になった。その『明白なる使命』を遂に実行すべき時が来たと、シャーロット大統領は強く認識していた。

居並ぶ閣僚達に対してシャーロット大統領は遂に地球統一政府成立へ向けて動き出す時が来た、そう力強く断言した。そのように言われた閣僚達は遂に来たるべき時が来たと感慨深い気持ちになった。順調に準備を進めており、ヨーロッパマフィアを利用した策略と、外相会談・首脳会談に於ける時間稼ぎはシャーロット大統領の思惑通りに進んでいた。ここまで計画が順調に進むとは思っていなかった閣僚達は、改めてシャーロット大統領の計画に賛辞を送った。中東アフリカ諸国も従順に計画を進めてくれており、現時点では問題は何も無かった。


『ヨーロッパ合衆国シャーロット大統領はいつから、地球統一政府成立に向けた野望を抱いていたのか。それは気になる点であった。その点は未だに情報開示がされていない為に、真相は明らかになっていない。だがシャーロット大統領は終身刑の判決が下され、南極大陸に島送りになっている為に、今でも存命なのは確かである。それならいつの日か回顧録としてシャーロット大統領が自ら明かしてくれる日が来るかもしれないし、私のような人間が取材に行ける日が来るかもしれない。それまでは現時点で存在する資料から推測していくしか手段は無い。

そもそもヨーロッパ合衆国の成立経緯から見て、私はその野望の一助になったと推測したい。ヨーロッパ合衆国は我が国との新世紀冷戦が激しさを増した事により、当時のヨーロッパ諸国が危機感を募らせた結果人類史上初の地域国家として成立した。ヨーロッパ諸国が統合し単一のヨーロッパ合衆国に生まれ変わったのである。そのような事を成し遂げたヨーロッパ合衆国の政治家であれば、地球統一政府成立の理想論を掲げるのは想像に難くない。

しかもシャーロット大統領はヨーロッパの王族として生まれており、国民に対して何かしらの希望を与えたいという気持ちは強かったのではなかろうか。だがシャーロット大統領自身は超が付く程の現実主義者であると思う。大統領就任以後のみならず州知事時代の政策を見ると、私の判断は間違っていないと思われる。それならいつから地球統一政府成立の野望を抱いていたのか。私は政治家になったその時からであると断言したい。それもそもそも論としてシャーロット大統領のみならず、ヨーロッパ合衆国の統一した意思として地球統一政府成立は掲げていたと判断したいのである。その点はかつてヨーロッパ合衆国の政治家であった人々に取材をすると、そのような事を答えてくれたのである。

だがこれら全ては私の完全なる推測でしか無いのも事実である。この答えはシャーロット大統領の口から直接語られる日が来るのを祈るしかない。ただの作家が推測出来るのは、これが限界であった。シャーロット大統領の野望はいつからあったのかは分からないが、結論から言えばその野望により人類は新世紀最終戦争と呼ばれる第三次世界大戦に突入したのである。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋

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