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新世紀最終戦争  作者: 007
第2章 外交交渉

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首脳会談以後

2048年6月25日。帰国した叶総理は閣議を招集していた。首脳会談は無事に共同声明を発表し終わったが、問題はヨーロッパ合衆国が実際にヨーロッパマフィア取り締まりを行うかであった。

閣議に於いてまずは外務大臣が、ヨーロッパ合衆国からの経過報告について説明を始めた。首脳会談終了以後ヨーロッパ合衆国はヨーロッパマフィア取り締まりを行おうとしており、現在はヨーロッパマフィアの拠点捜索をしているとの報告があった事を語った。その報告を聞いた叶総理はやはりヨーロッパ合衆国は、信用ならないと結論付けた。幾ら何でも世界最大の犯罪組織であるヨーロッパマフィアの拠点が分からない筈は無く、それに現状のヨーロッパ合衆国にすればその遅延行為こそが目的だとも思われた。

叶総理はI3長官に対して、ヨーロッパ合衆国の主導する大軍拡についての情報について尋ねた。首脳会談でシャーロット大統領直々に戦争も辞さないと断言し、自ら大軍拡を行っていると語った。首脳会談から帰国した叶総理はI3長官に全力を挙げて大軍拡の状況を調べるように命令していた。

I3長官はヨーロッパ合衆国は凄まじいまでの大軍拡を行っていると報告した。それは新世紀冷戦で軍拡競争を繰り広げているとはいえ、想像以上の規模であった。陸軍は凄まじい規模にまで拡大されており、530個師団にまで増設されていた。その師団はロシア連邦国境に300個師団も配備されており、残る230個師団は地中海や大西洋等のヨーロッパ合衆国沿岸部に配備されていた。国内治安維持は当然ながら警察組織が行っており、陸軍は全て国境に於いて断固防衛する配備体制になっていた。空軍も保有機数は3万機に迫る規模になり、それらによりヨーロッパ合衆国領空の航空優勢は万全であった。海軍は建造費も建造期間も膨大である為に20個機動部隊からは増えていなかったが、総合的にみて凄まじい規模にまでヨーロッパ合衆国軍は拡大していた。更にはヨーロッパ合衆国の支援により中東アフリカ諸国も凄まじい規模にまで大軍拡を行っており、ヨーロッパ合衆国と合わせた軍の規模は侮れないものになっていた。

それを聞いた閣僚達はどよめいた。シャーロット大統領は本当に戦争も辞さない覚悟なのではないのか。そう感じていた。そう感じさせる程の規模であったのである。叶総理は国防大臣に現状の大日本帝国軍の規模について尋ねた。

国防大臣は叶総理の質問に答えた。海軍連合艦隊に関しては15個機動打撃群でヨーロッパ合衆国海軍のみならず、世界中の海軍が束になっても勝利出来ると断言した。それはかつてのアメリカ合衆国海軍空母戦闘群のような幻想的な自信では無く、連合艦隊独自のドクトリンによるものであった。原子力空母の艦載機を攻撃だけに利用し、原子力空母自身のみならず機動打撃群全体が防空を担い、イージス原子力戦艦もいわゆる最強の護衛艦的役割があった。陸軍は大軍拡が行なわれ140個師団まで拡大されていた。そもそも大日本帝国の人口も2億人を突破しており、140個師団280万人の陸軍も維持可能であった。海洋帝国ながら大規模な陸軍を保有するに至ったのである。空軍も保有機数は2万機、海兵隊も保有機数3000機に達し、大軍拡は大日本帝国に限ったとしても凄まじい規模になっていた。亜細亜条約機構加盟国・中南米諸国にも軍事支援を行っており、壮絶な大軍拡が行われていた。

ロシア連邦・中華連邦・アメリカ西岸連邦・インド・ベトナム・オーストラリアは大日本帝国の軍事支援により、大軍拡を行っていた。その他の亜細亜条約機構加盟国・中南米諸国も国力に見合った軍拡を行った。

そして国防大臣は相対的にみて大日本帝国と亜細亜条約機構・中南米諸国の陣営と、ヨーロッパ合衆国と中東アフリカ諸国の陣営の軍事力は五分五分の状態にあると断言した。

世界を二分する超大国同士の新世紀冷戦は、とてつもない軍事力を整備するに至ったのである。叶総理はその説明を受け、国防大臣に更に尋ねた。もし仮にヨーロッパ合衆国がシャーロット大統領の言葉通り、戦争を決意したらどのようになるか。国防大臣は暫く沈黙した後に口を開いた。

我が国とヨーロッパ合衆国が戦争に突入したらそれは前回の新世紀日米戦争と違い、自動的に大日本帝国・亜細亜条約機構・中南米諸国の陣営と、ヨーロッパ合衆国・中東アフリカ諸国の陣営による大規模な『第三次世界大戦』になるでしょう。そうなれば『第二次バルバロッサ作戦』と言っても良いヨーロッパ合衆国による大規模なロシア連邦侵攻が開始される筈です。その為にヨーロッパ合衆国は常時300個師団をロシア連邦国境に配備しているのですから。更には亜細亜条約機構加盟国へも電撃的侵攻を始めるでしょう。ヨーロッパ合衆国による一大東進作戦です。海軍も派遣する筈なので連合艦隊機動打撃群とは、インド洋周辺で激突すると思われます。お互いに圧倒的といえる戦力差が無いので、戦いは長く厳しいものになるでしょう。戦争は得策とは思えません。嘗ての米ソ冷戦時には核兵器が抑止力として機能しましたが、レーザー砲が都市部に配備されている現状では確実に迎撃されるでしょう。その為に虚仮威しとしてか意味は無く、軍事的脅威にはなっていません。その為にひたすら通常兵器による戦いになるのです。

国防大臣の言葉に閣僚達は黙り込んだ。軍事的見地から戦争は得策では無いと言われた、それに反論出来る者はいなかったのである。ただ叶総理だけは考えていた。それでも最悪の場合は、戦争しかないと。

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