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新世紀最終戦争  作者: 007
第2章 外交交渉

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日欧首脳会談

『2048年6月15日。カナダ首都オタワにて、大日本帝国とヨーロッパ合衆国による史上初の首脳会談が開催された。史上初の首脳会談という事もあり、カナダは国家の総力を挙げた警備体制にあった。カナダ警察は言うに及ばず、カナダ騎馬警察・カナダ軍憲兵・鉄道警察サービスも警備にあたり、カナダ陸軍・空軍も警備を行っていた。道路は1メートル間隔で警官が配置され、10メートル間隔で陸軍の装甲車輌が配置され、空には警察のティルトジェットと陸軍の戦闘ティルトジェットが警戒飛行を行い、空軍の早期警戒管制機と戦闘機まで警戒飛行を行っていた。オタワマクドナルドカルティエ国際空港に降り立った両首脳は、自国の警護隊に守られながらカナダ大統領官邸に向かった。その間の移動中は全ての道路が車の通行が制限され、両首脳の車列は一切停まる事無く突き進んだ。カナダとしては万が一にも不測の事態が発生してもいけないとして、凄まじい警備体制にはいっていた。だがある種警戒し過ぎた為に、首都の交通は完全にマヒする事態になった。それでもカナダ大統領は断固とした決意で史上初の首脳会談を万全の体制で行う為に、国民に協力を求め国民もそれに応えある程度の不自由は我慢する事にしていた。

カナダ大統領官邸に到着した大日本帝国叶総理と、ヨーロッパ合衆国シャーロット大統領は盛大な歓迎セレモニーに出迎えられた。カナダ政府として世界を二分する超大国の首脳を出迎えるにあたり、最大限の努力で準備されたものであった。特に大日本帝国叶総理は正確には国家元首では無いが、国家元首と同一視した歓迎セレモニーが行われた。

その歓迎セレモニー後に遂に、大日本帝国叶総理とヨーロッパ合衆国シャーロット大統領が直接対面する事になった。先月行われた日欧外相会談の時よりも更に数多くのマスコミが詰め掛け、この歴史的瞬間を余す事なく報道した。世界各国の主要メディアは生中継でこの史上初の首脳会談を報道し続け、その視聴率は驚異的なものとなった。世界中の耳目を集めるこの快挙に、称賛が寄せられた。何はともあれあれ程までに対立していた、大日本帝国とヨーロッパ合衆国が新世紀冷戦状態になってから首脳会談を開催したのである。今回の議題はヨーロッパマフィアに関する事であるが、もし順調にいけば2回目3回目と続ける事が出来るかもしれない。そうなれば一気に対立構造は解消され、大日本帝国とヨーロッパ合衆国平和裏に冷戦終結を宣言する事が出来る。夢想家はそのような事を思い描いていた。だが叶総理もシャーロット大統領もどちらも、超が付くほどの現実主義者であった。その為に2人共に思っていたのは、この史上初の日欧首脳会談は最初で最後になるのだと。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋




叶総理とシャーロット大統領による日欧首脳会談は典型的に、両首脳による握手から始まった。笑みを浮かべ両手でしっかりと握手をし、一言二言言葉を交わすとメディアによる壮絶なフラッシュの嵐に包まれた。それは歴史的瞬間であった。現在地球上を二分する超大国の首脳による直接会談の始まりであったのだ。世界中のメディアのみならず両首脳に随伴する者も全員が、結果はどうあれ歴史に残る首脳会談だというのは理解していた。

それを意識してか本来ならこの後直ぐにメディアは退出させる筈であったが、叶総理とシャーロット大統領は示し合わせたように暫くはメディアに公開しての首脳会談を提案した。カナダ大統領や随伴者達は一瞬驚いたが、両首脳の真意を察するとそれを受け容れた。こうして予想外にメディアに公開されての討論となったが、新世紀冷戦に相応しい対立的な内容になったのである。

叶総理はまず大日本帝国の経済的軍事的優位性について語った。経済に於いて大日本帝国は世界最大のGDPを誇りヨーロッパ合衆国の追随を許さない成長を続けている事、それに加えてヨーロッパ合衆国は直近のデータでは成長が鈍化している事、そして軍事力では海軍空軍ではヨーロッパ合衆国が若干上回り陸軍はヨーロッパ合衆国が上回るが亜細亜条約機構も加味すると我が国が圧倒的に優位である事、あらゆる媒体がそれらを証明しておりこれ以上の対立を本当に続けるのか、そう叶総理は単刀直入にシャーロット大統領に問い質した。

そう詰問されたシャーロット大統領は冷静に返答した。確かに大日本帝国のGDPは世界最大だがヨーロッパ合衆国も産業構造の改革により経済発展の準備段階にある事、それが直近のデータによる成長鈍化に表れている事、その経済発展に連動してヨーロッパ合衆国はさらなる飛躍を目指し大軍拡を行っている事、中東アフリカ諸国も大軍拡を行っており一概に大日本帝国と亜細亜条約機構優位とは言い切れない事、何よりもヨーロッパ合衆国は大日本帝国との直接戦争を厭わない覚悟である、シャーロット大統領は力強く断言した。

シャーロット大統領の言葉にメディアからは悲鳴にも似た声があがった。遂に戦争という言葉が出たのである。カナダ大統領は慌ててメディアの退出を呼び掛け、叶総理とシャーロット大統領に休憩を提案した。両首脳は休憩を了承し、メディアも退出を始めた為に首脳会談は一時中断となったのである。




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