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新世紀最終戦争  作者: 007
第2章 外交交渉

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外相会談要請

大日本帝国で叶総理が閣議を開催しているのと同時刻、ヨーロッパ合衆国首都のドイツ州ミュンヘンにある大統領官邸では同じく対策会議を開いていた。ヨーロッパ合衆国のシャーロット大統領は閣僚達を前に、大日本帝国への対策を話し合っていた。

シャーロット大統領はヨーロッパ合衆国初の王族出身の女性大統領であった。王位継承順位3番目であり姉がいる為に、自らは政治家に転身すると宣言して政治家となった。2メートル15センチの長身で美貌を誇る為に、州知事・上院議員を圧倒的得票率で務めた。そして経験と実績知名度から、遂に大統領選挙に出馬し史上最多得票率で当選した。2048年の現在は1期目の3年目になり、大統領選挙の年を迎えていた。シャーロット大統領は36歳であったが、その年齢が武器でもあり弱点であった。若いからこそ即断即決が出来るが、若さ故の過ちとして経験不足が所々で顕になっていた。

それが今回の大日本帝国の強硬姿勢に、対策を迷う事になっていたのである。確かに当初の会議に於いてヨーロッパマフィアを利用して、大日本帝国と亜細亜条約機構に麻薬を蔓延させる事を決定した。それは新世紀冷戦に於いて無闇に手を出すのが難しくなった二大超大国の対立に於いては、大日本帝国と亜細亜条約機構を疲弊させる唯一の手段だと考えられた。その為にヨーロッパマフィアに資金面と物資面で援助を行い、手厚くサポートをしてきた。それは『陸軍正式装備』も譲渡するに至り、その額と規模は凄まじいものであった。

だがそれも大日本帝国の断固とした決意による一斉検挙により麻薬密売組織は壊滅させられ、追い詰められたヨーロッパマフィアも一矢報いたがそれは儚い反撃であった。戒厳令発令により軍も動員しての攻撃に大日本帝国に進出していたヨーロッパマフィアは文字通り消滅した。だがヨーロッパマフィアは対戦車ミサイルランチャーという物的証拠を残してしまい、数名が警察に逮捕された。それらの人的物的証拠は大日本帝国に利用され、国連総会と安全保障理事会で議論されてしまった。

大使には知らぬ存ぜぬを貫き通すように命令を出し、何とか有耶無耶に終わらせる事には成功した。だが大日本帝国がこのまま引き下がるとは到底思えず、今日の対策会議を招集するに至ったのである。


対策会議では大日本帝国に対して、どのような対応をするのかが重点的に話された。国連総会と安全保障理事会が何の成果も得られずに終わった為に、大日本帝国は何とかしようと考える筈である。その方法がまさか戦争とはとは思えないが、何かしらの行動を起こすとは思われていた。シャーロット大統領はまずは内務大臣に治安対策について尋ねた。

シャーロット大統領としてはもしかすると、自分達がヨーロッパマフィアを使ったのを真似して大日本帝国が神戸組を、ヨーロッパ合衆国に送り込んで来る事を危惧したのだ。尋ねられた内務大臣問題ありません、と力強く言い切った。

ヨーロッパ諸国が大日本帝国へ対抗する為に国家統合を行い、ヨーロッパ合衆国が成立して23年。成立当初は問題だらけだったが、ようやく安定した国家運営が行われていた。成立当初はかつての国家間西欧と東欧の経済格差が、そのまま地域格差になってしまった。その経済格差は治安の悪化を招き、ヨーロッパ合衆国政府は経済対策と治安対策に追われた。経済対策はヨーロッパ諸国が統合されヨーロッパ合衆国になった事で、内需主導型経済になった為に公共事業等を行い経済を刺激していくと、順調に発展していった。

問題は治安対策であった。この問題は深刻で、警察の手を煩わせていた。それもその筈でこの時に成立したのがヨーロッパマフィアであった。ヨーロッパ中のマフィアが統合されて成立した世界最大の犯罪シンジケートであった。政府は警察の強化を行い、各州を跨ぐ広域捜査の為の『ヨーロッパ連邦警察』を新設した。そして全国規模での取り締まりを強化すると共に、ヨーロッパマフィアに接触したのである。そこで大日本帝国が神戸組に行ったのと同じ方法を採る事にしたのである。

ヨーロッパ合衆国政府はヨーロッパマフィアに対して裏社会の治安維持を要請したのだ。要請を受けたヨーロッパマフィアは驚いたが、熟慮の末にそれを受け入れた。こうしてヨーロッパ合衆国とヨーロッパマフィアは手を組み、表と裏が協力する事になったのである。

内務大臣はその為に問題無いと、力強く言い切ったのだ。それを聞いたシャーロット大統領は安心すると共に、次の話題へ移ろうとした。するとそこへ秘書官が慌てて駆け込んできた。何事か尋ねたシャーロット大統領に、秘書官は外務省に大日本帝国政府から外相会談についての協議がしたいという連絡が入ってきた、と伝えた。

それを聞いたシャーロット大統領以下閣僚達は驚いた。過去一度も開催された事が無い、外相会談開催の協議であった。もちろん協議である為にまずは外相会談開催前の事務方官僚による、日時や場所について協議する必要があった。驚いたシャーロット大統領であったが、外務大臣に事務方へ直ぐに開催に向けた協議を行うように命令した。

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