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新世紀最終戦争  作者: 007
第2章 外交交渉

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次なる対策

国連総会に続き、安全保障理事会も何も果たせなかった。新世紀冷戦に於いて国連は斯くも無力であった。大日本帝国とヨーロッパ合衆国の二大超大国の対立が続く現状では、もはや国連は機能不全であると言えるだろう。だがこの状態は今に始まった事では無い為に、世界各国はある意味で諦めにも似た思いで受け取っていた。国連での無意味な時間を浪費した事を受けて、叶総理は首相官邸で閣議を招集した。今後の対策を話し合う必要が生じたからである。

閣議で叶総理は国連での無意味な時間は想定の範囲内だ、と断言した。あのような時代遅れの組織は役目を終えた、とまで言い切った。それに関しては閣僚達も同意見であった。第二次世界大戦勃発を防げなかった国際連盟の後継組織として創設されたが、所詮は第二次世界大戦の戦勝国連合であった。それは組織名からして明らかであり、国際連合は英語で『UnitedNations』となり、それは第二次世界大戦時の連合国の表記の別名『UnitedNations』と同じであった。もう一つの表記は『Allies』とされている。国際連合と呼称しているのは、世界で大日本帝国だけだった。

そのような時代錯誤も甚だしい組織に頼る方が間違いだったのである。それなら何故国連に提起しようと叶総理は提案したのか。それは閣僚達には当然の疑問であった。それを尋ねられた叶総理は、国連を完全に見捨てる儀式のようなものだと断言した。国連はもはや過去の遺物であり、亜細亜条約機構こそがその役目を引き継ぐべきだとも言い切った。それは驚くべき内容であった。叶総理がそこまでの事を考えていたとは思ってもいなかったからだ。だがそれもある種当然の意見であった。もはや機能不全の国連よりも亜細亜条約機構が果たしてきた役割は大きかった。

その最たる例が2033年に発生した『アメリカ動乱』である。メキシコがアメリカ合衆国のテキサス州に侵攻したのだ。アメリカ合衆国はもはや国家として崩壊しており経済も絶望的状況である為に、軍も殆ど再建出来ていなかった。その為にアメリカ合衆国はメキシコ軍の侵攻を防げなかった。メキシコにしても当時の大統領が汚職疑惑を逸らさせる為の政治的理由からテキサス州に侵攻した為に、ある意味で目的は達成されていた。

この事態に国連は無力であった。安全保障理事会も国連総会も何も手が打てなかった。それに業を煮やした大日本帝国は亜細亜条約機構緊急総会で、メキシコとアメリカ合衆国の調停案を議論し議決した。これにより大日本帝国と亜細亜条約機構はメキシコに即時の撤兵を要請した。その要請を受けてテキサス州に侵攻していたメキシコは即座に陸軍を引き揚げた。大日本帝国が仮に介入したとなると、自分達が瞬殺されるのは分かり切っていたからである。それにそれに大統領の個人的理由で侵攻しただけであり、国際情勢的には中南米諸国は大日本帝国陣営の為にこれ以上の対立は避けなければならなかった。

様々な思惑があるがメキシコはアメリカ合衆国テキサス州から陸軍を引き揚げた。だが大日本帝国はI3を利用してメキシコ大統領の汚職を調べ上げており、その情報は警察や政治家達に伝えられた。これによりテキサス州への侵攻が自らの保身の為であった事が暴露され、メキシコ大統領は弾劾されたのである。この『アメリカ動乱』の解決により亜細亜条約機構の威信は高まり、相対的に国連の威信は低下した。

その『アメリカ動乱』以後亜細亜条約機構の果たすべき役割は大きくなったのである。中南米諸国はこれにより完全に大日本帝国陣営になり、アメリカ合衆国も過去の恩讐を乗り越えて大日本帝国寄りを鮮明にした。国連に成り代わる余地は十二分にあったのである。それを叶総理の表面した事に、閣僚達は賛同した。もはや国連は役に立たない組織である事が改めて世界に証明されたからだ。

だが外務大臣は国連に見切りをつけるのなら、どのようにヨーロッパ合衆国を追求していくのかを質問した。それには他の閣僚達も同意し、叶総理の意見を待った。その質問に叶総理は、もはやヨーロッパ合衆国大統領との首脳会談しか無い。そう断言した。それは驚くべき提案であった。ヨーロッパ合衆国大統領との首脳会談はヨーロッパ合衆国が成立してから、過去一度も行われた事が無かった。二大超大国の対立は首脳会談を行えない程に、激しいものに発展していたのである。

それなのに首脳会談を行おうというのだ。だが国連が機能不全に陥っている現状では、その史上初の首脳会談に解決の糸口を求めるしか無かった。叶総理の決意は固く外務大臣には史上初の首脳会談に先立ち、史上初の外相会談を行うように命じた。いきなりそう言われた外務大臣だったが、『史上初』というフレーズが気に入ったのか全力で外相会談を実現させると答えた。

外相会談を開催しその場で首脳会談開催の確約を取り付ける必要があり、越えなければいけないハードルは多かった。だが何としても実現させなければならず、首脳会談で直接対決でヨーロッパ合衆国の関与を認めさせる必要があったのであった。

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