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新世紀最終戦争  作者: 007
第0章 前史
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対米戦勝記念軍事パレード・観艦式

新年早々衝撃的展開を迎えた大日本帝国だが、帝国議会は来年度予算案について本格的な議論が行われていた。大日本帝国の予算は1年ごとに決められる単年度予算である。財務省は毎年7月末の閣議了解を経て各省庁に概算要求基準を示し、この上限額を元に各府省庁が概算要求額を見積もり、8月末までに財務省に提出。財務省は9月から査定を開始し主計局が各省庁担当者からヒアリングを含めた折衝を行い、予算要求を絞り込んでいく。12月には政府が『予算編成の基本方針』を閣議決定。正式な予算案が決まる前に、大臣同士で内容の確認や交渉を行う『大臣折衝』などを経て、年末に政府としての最終的な予算案が閣議決定される。決定は基本的に例年12月24日。12月中に財務省原案が各省庁に内示され、それから各省庁が予算の復活を求めて事務折衝と次官折衝、大臣折衝を行う『復活折衝』も行われる。閣議決定された予算案は1月から始まる通常国会で審議され、衆院予算委員会での議論を経て、委員会可決後に衆院本会議で可決されれば参議院に送られ、同じ過程を経て正式に成立する。年度内に成立しなかった場合は『暫定予算』が組まれ、日常的な経費や継続中の案件など必要最小限の予算を組む。以上が本来なら毎年行われる来年度予算案成立までの順序である。

それが今年度は予算委員会での審議の前に大幅な予算の追加が行われた。新世紀日米戦争の勝利でハワイ諸島・ミッドウェー諸島・ウェーク島・ジョンストン環礁・マリアナ諸島が大日本帝国に割譲された為に、それ等の島々に軍事基地の新設が決定した。しかも海軍連合艦隊に至っては真珠湾に鎮守府を新設する事になり、艦隊をも新設する事になった。陸軍や空軍・海兵隊も基地を新設する事になり、国防省は新設計画に忙殺されていた。それは大泉総理も理解しており予算案の閣議決定を延期すると表明。これにより国防省は改めて腰を据えて新設計画を進めた。だが改めて予算案を編成していると、次は太平洋島嶼国からの併合希望があったのだ。そしてその希望は叶えられ太平洋島嶼国は大日本帝国に併合。だがこれによりミクロネシア併合によるトラック諸島夏島への海軍連合艦隊の鎮守府新設と陸空海兵隊の基地新設。マーシャル諸島クェゼリン環礁への空軍基地新設が更に決定された。国防省は更に予算案の作成に追われる事になった。そして鎮守府を2つも新設し空母機動部隊を増やす事になり、軍事基地も大量に増やす事になった為に国防省は開き直り大軍拡をする事を決定。『第5次国防力整備計画』として国防予算を約40兆円概算要求する事にした。そしてその予算は大泉総理が介入し財務省に無条件で受け入れるように命令した。今の大泉総理には例え財務省でも逆らう事は出来ず、国防省の概算要求は無条件で了承された。

国防省のみならず国土交通省も海上保安庁の規模拡大の為の予算増額を行った。何せ今や世界最大の海洋面積を誇る国となったのだ。ハワイ諸島までの太平洋は大日本帝国の領海と排他的経済水域が覆い尽くす事になっていた。海上保安庁は海上保安管区を太平洋に新設、艦船や航空機の増強、人員の拡大、それぞれを決定した。その為に海上保安庁としては過去最大規模の約3兆円を概算要求する事とした。

そして即座に全体の来年度予算案は閣議決定され、帝国議会での審議に入った。2001年度の一般会計予算が約173兆円であり、国防予算は約25兆円を確保していた。それが2002年度は国防予算が約40兆円になったのと、北海道釧路市の復興予算15兆円・海上保安庁予算約3兆円を含めて一般会計予算は224兆円となった。

特に国防予算約40兆円は凄まじい大軍拡となり、海軍連合艦隊は空母機動部隊を3個も増設する為にイージス原子力空母大和級3隻(紀伊・尾張・播磨)の建造が決定された。空母機動部隊を構成する各種艦艇も建造され、鎮守府新設の工事も行われた。陸空海兵隊の基地新設工事や、陸軍は方面軍の新設と師団の増設、空軍は航空方面隊の新設と航空隊の増設、海兵隊は海兵両用作戦部隊の増設、以上がそれぞれ決定した。それに伴い人員を大規模に募集する事になった。予算案は衆議院予算委員会で可決され、衆議院本会議でも可決。そして参議院予算委員会と参議院本会議でも可決され、無事に2002年度予算は成立した。


予算案審議中の2月11日。建国記念日に遠征していた大日本帝国軍が帰還した事により『対米戦勝記念軍事パレード・観艦式』が行われた。帝都東京の国会議事堂前を南北に走る道路は全長4キロにも渡る中央分離帯の無い片側3車線の道路となっていた。その道路は軍事パレード用に整備され、毎年恒例行事となっていた。そこを陸軍と海兵隊がパレードを行い、空軍と海軍空母艦載機が飛行を行い、海軍は東京湾で観艦式を行った。史上最大の戦争に勝利したとあり観覧希望は過去最高を記録した。マスコミも生中継で全容を放送し、全テレビ局が放送を行った。亜細亜条約機構加盟国の首脳陣も招待され、壮大な軍事パレードと観艦式は大成功に終わった。特に名実共に世界最強となった海軍連合艦隊空母機動部隊は、その観艦式で無傷の姿を世界にも見せ付ける事になり亜細亜条約機構加盟国首脳陣に頼もしい存在だと再認識させる事にもなった。

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