麻薬戦争終結
大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群の誇るイージス原子力戦艦大和級の超電磁砲による艦砲射撃は、ヨーロッパマフィアをこの世から消し去った。逮捕者と合わせると国内にいるヨーロッパマフィアは全員が地下からあぶり出された。大日本帝国を悩ませていた麻薬密売犯罪はこれで根絶される事になった。密輸ルートは海路空路共に封殺され、ヨーロッパマフィアが利用した漁船からのルートも漁港を神戸組がシノギとし、海上保安庁が南洋府の警戒を強化した為にその密輸ルートも閉ざされた。国内での麻薬密売を行っていた売人は全員逮捕され、神戸組が全国制覇を達成し裏社会の麻薬密売ルートも閉ざされた。表と裏が手を組み麻薬密売を阻止する計画は遂に完了したのである。
廃工場に立て籠もっていたヨーロッパマフィアは消滅したが、神戸市で逮捕した者達がいた。更には警察庁等を狙う為に近隣の建物から対戦車ミサイルを発射したが、発射器をその場に投棄して逃走していた。犯人と物的証拠を確保した事から、ヨーロッパマフィアへの事情聴取が警察で行われる事になった。
2048年4月1日午後10時。ヨーロッパマフィアの逮捕殲滅を受けて、叶総理は首相官邸で記者会見を行った。
『本日発生した同時多発攻撃は、ヨーロッパマフィアによる犯行でございました。そしてそもそもの麻薬密売事件に関与していたのもヨーロッパマフィアであり、漁港を利用して国内に麻薬を密輸していたのです。それらは陸軍憲兵隊・警察・麻薬取締部・神戸組の一斉検挙により完全に制圧致しました。全国の漁業協同組合も神戸組のシノギとなり、今後は麻薬密輸という悪事は行われる事はありません。ですがその完全制圧によりヨーロッパマフィアが地下の潜伏を止めて、反攻作戦としてこのような大規模同時多発攻撃を行うとは想定しておりませんでした。この点については大日本帝国政府を代表して、国民の皆様に謝罪致します。申し訳ありませんでした。
ヨーロッパマフィアは警察庁・警視庁・海上保安庁・神戸組の各本部を狙い、悪逆極まりない同時多発攻撃を仕掛けてきたのです。まさに最後の悪足掻きと言って言いでしょう。ですがそれも海軍連合艦隊機動打撃群の誇るイージス原子力戦艦大和級の超電磁砲艦砲射撃により殲滅されました。ヨーロッパマフィアは数名を逮捕しており、攻撃に使用した対戦車ミサイルランチャーも押収しております。今後は厳しい事情聴取により、全ての背後関係を洗い浚いにし、全容解明に全力を尽くします。
一応は麻薬密売取り締まりの目的は果たせましたが、万が一を考慮して戒厳令は4月10日まで継続致します。国鉄主要駅や空港、都市部には引き続き陸軍が警備を続けますので国民の皆様にはご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。』
叶総理の記者会見により国民はようやく麻薬密売事件の犯人を知る事になった。誰もがまさかと思った。神戸組よりも規模が違い過ぎる、ヨーロッパマフィアの犯行だったのである。これには大騒ぎとなった。だが大日本帝国の誇る治安維持部隊である、陸軍憲兵隊・警察・麻薬取締部・神戸組の活躍により、事件は終結した。
そして逮捕されたヨーロッパマフィアには凄まじい事情聴取が待っていた。4月2日の午前中から始まったヨーロッパマフィアに対する事情聴取により、事件の全容が明らかになった。ヨーロッパマフィアがヨーロッパ合衆国直々の支援と要請により、大日本帝国での麻薬密売を行っていたのが白日の下に晒された。この点は叶総理以下政府が睨んだ通りであったが、当人達の自供で裏付けされた。そしてその理由が激しい対立となった新世紀冷戦にあるともヨーロッパマフィアは語った。二大超大国による壮絶な対立は、もはや簡単に手出し出来る状態では無かった。お互いが純粋水爆を保有しそれを突き付け合う状態だが、大日本帝国もヨーロッパ合衆国も都市部には迎撃用のレーザー砲が配備されていた。これがかつての米ソ冷戦とは根本的に違う点であった。米ソ冷戦は結局の所は核兵器を互いに突き付け合い、相互確証破壊理論により均衡を保っていたのである。だが新世紀冷戦はかつての核兵器を遥かに凌ぐ純粋水爆を大日本帝国とヨーロッパ合衆国は保有した。本来ならこれで再び相互確証破壊理論が確立される筈であったが、両国は迎撃用のレーザー砲を都市部に建設してしまった。これで互いに盾と矛を保有するに至ったがそれが相互確証破壊ならぬ、『相互確証迎撃』ともいえる新たな理論を生み出した。その為に通常兵器の壮絶な大軍拡競争となったのである。だがそれも互いに異常なまでの大軍拡を行った為に、容易に戦争を仕掛けるのは難しくなってしまった。それにより大日本帝国は現状こそが冷戦が保てる理由だと判断したが、ヨーロッパ合衆国はある意味で狡猾であった。その現状を打開しようと大日本帝国を筆頭に亜細亜条約機構に麻薬を蔓延させて、内部から破壊しようと企てたのである。
それが逮捕されたヨーロッパマフィアが語った事件の真相であった。その内容は即座に報告され叶総理も知る事になった。報告を聞いた叶総理は激しい怒りを爆発させた。補佐官はあまりの剣幕に震えが止まらなかったと言われている。




