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新世紀最終戦争  作者: 007
第1章 麻薬戦争

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玉砕

国防省の行動方針を聞いた叶総理は、徹底的な攻撃を許可した。そして戒厳令発令により、司法権や警察権は一時的に軍に移管される事になった。戒厳令発令を受けて叶総理から命令された国防大臣は、直ちに全大日本帝国軍に対して出動を命令した。陸軍はヨーロッパマフィア殲滅と帝都・神戸市の治安維持の為に出動し、空軍は早期警戒管制機を飛ばし情報収集を開始し戦闘攻撃機による陸軍支援を開始、海軍連合艦隊は横須賀と呉にいた機動打撃群を出動させた。圧倒的な軍事力を背景にした示威行動に、世論はようやく落ち着きを取り戻した。

ヨーロッパマフィアの車輌を追跡していた陸軍の戦闘ティルトジェットは、千葉県山中の廃工場に逃げ込んだのを確認した。戦闘ティルトジェットのサーマルカメラと空軍の偵察衛星により、大量の人員が待ち伏せしているのが判明した。情報を受けて首相官邸地下の危機管理センターで叶総理は、陸軍による殲滅を命令した。その命令を受けて国防大臣は、千葉県山中の廃工場に1個機甲師団を出動させた。空軍と海軍連合艦隊は支援体制に入りつつも、その打撃力の高さから戦略予備的扱いとした。警察は周辺の交通規制に投入され、民間人が廃工場に近付くのを阻止した。



『戒厳令が大日本帝国全土で発令され軍が国内に作戦展開するのは、2001年以来47年振りの事であった。だが今回の戒厳令発令による出動は過去の治安維持による出動とは違い、明確にヨーロッパマフィアを殲滅する為の出動となった。示威行動では無く作戦行動として機甲師団が移動するのは、各局により生中継された。その模様は壮観であった。そして新世紀日米戦争以来の実戦が、まさかの国内で行われる事になるとは誰も思っていなかった。だが先に手を出したのは、ヨーロッパマフィアの方であった。叶総理の断固とした決意により、陸軍機甲師団はヨーロッパマフィア殲滅に向かったのであった。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争〜麻薬戦争〜』より一部抜粋



廃工場に接近した陸軍機甲師団は当初は簡単な任務だと思っていた。一見して普通の廃工場であったのだ。それを報告した師団長は、攻撃許可を求めた。だが方面軍司令部は国防省からの命令により、機甲師団に待機命令を下した。国防省は空軍の偵察衛星を利用して詳細な偵察を行った結果、内部構造でコンクリート補強が厳重に行われているのが判明した。これによりある種のトーチカ構造に改造されていると判断し、不用意な接近を禁止するように方面軍に命令した。

その命令を受けて師団長は斥候を出す事にした。見た目は普通の廃工場だが、情報によるとトーチカ構造に改造されているとの事であった。その為に斥候を出し偵察させる事にしたのだ。廃工場に接近した斥候はヨーロッパマフィアに気付かれる事無く、その任務を達成した。

斥候の報告によると内部にはコンクリート構築された構造物が確認でき、更には超電磁砲の砲身も視認出来たとの事だった。ヨーロッパマフィアも約120人程が確認でき、神戸市で逮捕された人数と合わせると国内にいる全員だと思われた。これを受けて師団長は悩んだ。この程度なら攻撃して直ぐに制圧出来る筈であった。だが廃工場その物の構造物の内部にトーチカ構造での二重だというのが気になる点であった。悩んだ末に師団長は海軍連合艦隊機動打撃群に対して、対地攻撃支援を要請した。

支援要請を受けた海軍連合艦隊は横須賀鎮守府を出港した、大和機動打撃群と武蔵機動打撃群に対して対地攻撃を命令した。イージス原子力戦艦大和に座乗する機動打撃群司令官は超電磁砲による対地攻撃を行う事を決定した。それは武蔵機動打撃群のイージス原子力戦艦武蔵に座乗する司令官にも伝えられた。

イージス原子力戦艦大和・武蔵による超電磁砲砲撃は実戦初使用であった。今までは演習で砲撃は行っていたが、実戦は初めてだった。というよりもヨーロッパ合衆国や世界各国の海軍が超電磁砲を実戦で使用していない為に、世界初の実戦使用になった。

偵察衛星も駆使した偵察により廃工場はロックオンされ、イージス原子力戦艦大和・武蔵は搭載する55センチ超電磁砲3連装6基18門を発射した。東京湾から千葉県郊外の山中にある廃工場への艦砲射撃はマッハ30に到達する超電磁砲で行われた為に、ほぼ瞬時に廃工場へ命中した。あまりにも高速過ぎてヨーロッパマフィアも包囲する陸軍機甲師団も何が何だか分からない状態で、突如として廃工場が大爆発を起こした。36門もの55センチ超電磁砲による砲撃であり、最大連射での艦砲射撃であった為に瞬時に命中数は100発を超えた。

おびただしい数の砲撃に見守る陸軍機甲師団の将兵達は言葉を失った。巡航ミサイルもマッハ25を誇る極超音速ミサイルだが、超電磁砲はその更に上を行くマッハ30であった。それが100発以上も瞬時に命中していた。廃工場は壮絶な大爆発に包まれており、陸軍機甲師団はただただ呆然と見守るだけであった。

爆発が収まり爆煙が晴れると、そこには僅かばかりの骨組みとコンクリートの残骸が散乱していただけであった。

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