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新世紀最終戦争  作者: 007
第1章 麻薬戦争

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密輸ルート

叶総理と国防大臣の海中からの密輸という考えは残念ながら間違っていた。ヨーロッパマフィアはヨーロッパ合衆国の全面的な支援を受けており、新冷戦で迂闊に手が出せないヨーロッパ合衆国に代わり大日本帝国と亜細亜条約機構を混乱させる事を目的にしていた。その為にヨーロッパマフィアは自らが得意とする麻薬密売で大日本帝国と亜細亜条約機構に麻薬犯罪を増加させる事にしたのである。

そこでヨーロッパマフィアは大日本帝国と亜細亜条約機構への麻薬密輸を大規模に行った。亜細亜条約機構各国は容易に密輸を行えたが、大日本帝国への密輸は難航を極めた。航空機による密輸はどれだけ巧妙に隠しても摘発され、水際で阻止された。それならと海路による密輸を行ったが大日本帝国の誇る悪名高い『帝国港湾協会』が大日本帝国全土の港を掌握しており、そこに神戸組が理事を送り込み更には港湾荷役を行っている為に、海路の密輸も摘発された。大日本帝国が島国である以上は陸路による密輸は出来る訳が無く、ヨーロッパマフィアは頭を抱えてしまった。あまりにも摘発が厳し過ぎた。そのヨーロッパマフィアにヨーロッパ合衆国は直々に諜報機関を用いて大日本帝国の弱点を調べたと伝えた。ヨーロッパ合衆国が諜報機関まで動員して調べた弱点、それは漁港であった。大日本帝国の漁港は、当然ながら漁業を行う漁船の拠点となっており、漁業協同組合が存在している。漁業協同組合の事業は主に、操業指導を行う指導事業、漁民の生産物を販売する販売事業、漁民が操業に必要な燃料や漁具・養殖えさ・生活に必要な食品などを供給する購買事業、銀行業としての信用事業、保険業の共済事業、漁場の利用調整など多岐にわたる。ここもヤクザのシノギとなっているが、特に重要な点が神戸組が傘下組織も含めて漁業協同組合をシノギとしていなかったのである。神戸組の対立組織が漁業協同組合でシノギを行っていたのだ。そこにヨーロッパ合衆国は諜報機関を使った事により目を付けた。

まずは大日本帝国に潜伏しているヨーロッパマフィアに神戸組の対立組織に接触させる。そして漁業協同組合でシノギを行う対立組織に漁船を利用させる事としたのである。密輸はヨーロッパ合衆国本土からまずは、パナマ運河を通過し北太平洋のクリッパートン島に輸送された。クリッパートン島はヨーロッパ合衆国フランス州の無人島であったが、密輸の拠点に指定され大規模開発が行われた。その後クリッパートン島からポリネシアに輸送される。ポリネシアはヨーロッパ合衆国フランス州領でありそこに再び集積する事にした。その後大日本帝国南洋府の排他的経済水域の境界にブイを付けて麻薬を海中に投下、南洋府の漁業協同組合の漁船が回収する。海上保安庁も外国の漁船は取り締まるが自国の漁船は余程の事が無い限り、取り締まる事は無かった。摘発を避ける為にブイの投下と回収はそれぞれの船が単独で行い、瀬取りは行わない事にしていた。その後南洋府の漁船は大宮府の漁業場に行き、同じくブイを付けて投下。それを大宮府の漁船が回収し、それから大日本帝国沿岸の漁業場に行きブイを付けて投下。そしてそれを漁船が回収して大日本帝国本土の漁港に持ち帰る。これにより大日本帝国国内への持ち込みに成功するのであった。後は神戸組の対立組織のシノギに使われる魚市場に搬入され、そこからトラックに積み込まれ漁港から搬出され、大日本帝国全土の料理店に移動させる。その料理店で漸く神戸組の対立組織は麻薬を受け取る事になった。大規模な密輸ルートだがこれが唯一大日本帝国に麻薬を蔓延させる方法の為に、ヨーロッパマフィアも採算度外視で行うしか無かった。

この密輸ルートで潜水艦は一切使用されていなかった。これにより目星をつけるのを間違えた為に、一向に摘発出来なかったのである。海上保安庁も瀬取りに警戒しており、遠洋漁業で網の位置を示すブイは普段から使われる為に、ブイの近くに漁船がいても何も警戒していなかった。ヨーロッパマフィア側もそれは把握しており正確にはブイに繋がった網に麻薬を縛り付けていたのだ。

連合艦隊機動打撃群まで出撃させての大規模な哨戒活動は全く無意味に終わった。空軍の偵察衛星も総動員されたが、技術が進歩したとはいえ宇宙空間から海中は把握出来なかった。ただ大量の漁船やタンカー・コンテナ船・輸送船が行き交うだけだった。海軍空軍海上保安庁による大規模な活動は、2週間が経過した事で叶総理の命令により中止された。海上保安庁による通常の海上監視のみとなった。これを受けて叶総理は再び閣議を招集した。全く無意味となった哨戒活動は表向きは海軍による演習と発表され、空軍と海上保安庁も連携を確認する為に演習に参加していたとされた。ヨーロッパ合衆国との新冷戦にある現状での演習は称賛される事はあれど、非難される事は無かった。世論や野党もとやかく言う事無く、政権の失態は誤魔化された。叶総理も責任転嫁する事は無く、国防大臣を叱責しなかった。寧ろ最終的な責任は自分にあると言い切った。国防大臣を筆頭に閣僚達は対策案を出したが具体策に欠ける物であり、結局は取り締まりを強化するように叶総理が命じて閣議は終了したのであった。



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