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新世紀最終戦争  作者: 007
第1章 麻薬戦争

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治安対策

本編に入ります。お待たせしました。

2048年1月20日。大日本帝国帝都東京帝国議会では叶真理亜内閣総理大臣による所信表明演説が行われていた。叶真理亜総理は大泉元総理以来の女性総理であった。大泉麗子元総理は2042年1月11日に100歳の誕生日を迎えて、3日後に老衰により亡くなった。大日本帝国をここまで発展させた偉大なる元総理という事で、国葬が執り行われた。国葬には亜細亜条約機構加盟国の首脳陣も出席し、大泉元総理との最後の別れを惜しんだ。

そんな大泉元総理以来の女性総理であるが、叶総理は所信表明演説で熱弁を振るっていた。その内容は主に治安対策について語られた。大日本帝国と亜細亜条約機構加盟国では数年前より麻薬犯罪が急増していた。亜細亜条約機構加盟国の麻薬犯罪の急増は著しく、特に東南亜細亜諸国と中央亜細亜諸国、そしてアメリカ西岸連邦で酷く蔓延していた。そこから大日本帝国に流れる事で、大日本帝国国内の麻薬犯罪も急増しているのである。だがまだ亜細亜条約機構加盟国に比べると急増と言っても、勢いは緩やかな方であった。

大日本帝国の警察は国家公安委員会が警察庁を管理し、その警察庁が各都道府県警察の指揮を執る事実上の国家警察である。警察庁長官の各都道府県警察に対する指揮監督権は、各都道府県警察本部長をはじめ国家公務員である警視正以上の地方警務官の任免権や各都道府県警察に要する経費の支弁などを通じて、警察庁は各都道府県警察を事実上指揮下に置いているのである。警察庁長官の指揮監督権に加え、各都道府県警察本部長および人事を担当する警務部長は例外なく警察庁出身の地方警務官であることから、各都道府県警察のすべての業務は警察本部長および警務部長を通じて、警察庁の意向を通すことが可能である。警察庁長官の指揮監督制度、各都道府県警の活動の一部に国の予算が使われる国庫支弁制度、警視正以上の警察官を国の職員とする地方警務官制度等により、一定の範囲で各都道府県警察の運営に国が関与していることから、大日本帝国警察が国家警察である所以である。その警察が治安を維持しているのは当然だが、警察はヤクザを駆使して裏社会の治安対策も行っていた。

ヤクザは大日本帝国に古くから存在していた犯罪組織とも言えるが、『任侠団体』という側面もあった。そしてヤクザは敗戦直後は権威が失墜した警察に代わり、自警団を組織して治安維持を行っていた。特に兵庫県神戸市に本部を置く神戸組の3代目組長になる人物は、その自警団で活躍しそれが組長襲名の決定打になる程であった。その後3代目組長率いる神戸組は全国進出を行い、対立抗争を繰り返しながら急速に勢力を拡大した。激しい抗争に警察は『頂上作戦』と呼ばれる取り締まりを行うが、神戸組は1980年までに、2府33県に700団体以上、8万人以上の総勢を擁する組織に成長した。更に神戸組は麻薬追放国土浄化連盟を結成し、『麻薬撲滅決起集会』を開催した。

相次ぐ抗争から警察庁は1990年に『暴力団対策法』の制定を目指して行動を開始した。だがそれは時の政権により握り潰された。ある意味で歴代政権はヤクザを利用していたのが、この時に警察庁に知らされた。特に『今太閤』と呼ばれた人物が内閣総理大臣の時に、神戸組の全国制覇が確定し『麻薬撲滅決起集会』が行われたのはその証明だと言われた。今太閤は『毒を以て毒を制す』として、敢えてヤクザを必要以上に取り締まらずに裏社会の治安維持を行わせていたのである。そう言われた警察庁としても、困惑していた。そこで時の政権はヤクザに今以上に介入して、警察との協調を要請した。歴代政権の方針として『ヤクザを地下に潜らせるな』というものがあった。そう言われた警察庁は納得するしか無かった。ヤクザに地下組織となられては、対応がし辛い事になってしまう。それは海外警察がマフィアへの対策に苦慮する姿で証明されていた。これを受けて正式に警察はヤクザとの共闘関係を樹立したのである。時に1991年大日本帝国は表の警察、裏のヤクザが治安維持を行う事になった。特にヤクザに関しては神戸組の勢力を確固たる地位にさせ、全国制覇を成し遂げる要因になった。神戸組の勢力は930団体以上、10万人以上にまで発展した。大日本帝国のヤクザは神戸組が65パーセントを占める事になり、これ以後はヤクザ社会も神戸組による安定路線を進む事になった。特に裏社会での犯罪は警察とヤクザが共闘して事件解決に取り組むという、奇怪な光景を生み出す事にもなった。この方針は上手くいった為に、大日本帝国での麻薬犯罪急増の勢いはまだ緩やかだった。

だがそれでも年々増加傾向にある麻薬犯罪は次第に組織化し、激化して来た。亜細亜条約機構加盟国の麻薬犯罪はもはや深刻で、本腰を入れて各国警察が取り締まりを強化していた。その為に麻薬犯罪の増加は国民の関心を集めていたのである。確かに国家安全保障的にはヨーロッパ合衆国との新冷戦も重要な問題であるが、国内でこのような麻薬犯罪が蔓延していると治安面での不安が高まってくる。それにもはや大日本帝国は西太平洋一帯に広がる一大海洋帝国であり、一言で国内と言ってもその広さは桁違いであった。大日本帝国本土とハワイ府に至っては、時差どころか日にちまで変わるのである。広大な国土の治安維持は大変な事業であるが、それを更に強化しなければならなかった。その為に叶総理は所信表明演説に於いて、警察予算と厚生労働省麻薬取締部予算の大幅な増額を発表したのであった。

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