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新世紀最終戦争  作者: 007
第9章 再燃
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新方針

レーザー銃の開発状況は叶総理も気になる事であった為に、国防大臣は進捗の説明を始めた。レーザー銃は各軍の艦船・車載・機載兵器である、レーザーガトリングガンの小型化による歩兵装備化を目指して開発が始まった。海軍連合艦隊の艦船に装備してあるレーザーガトリングガンはレーザー核融合炉の搭載や艦載型の大規模電池搭載による太陽発電衛星からの送電により運用され、陸軍と空軍の車載・機載レーザーガトリングガンは大規模電池の搭載による太陽発電衛星からの送電により運用が可能になっていた。レーザーガトリングガンの運用にはこのように大規模な電力を必要とし、レーザー銃として歩兵装備にするには電力供給の問題点を解決する必要があった。

レーザー銃の実用化に際して最初に考案されたのが、有線方式であった。戦車や自走超電磁砲の大規模電池から送電線を引っ張り、レーザー銃に接続して射撃を行うものであったのである。だがそれでは取り回しが劣悪で、送電線の範囲でしか活動が出来ない為に早々に却下された。

そこで当然の帰結として大容量でありながら小型化された電池方式にする事にし、実弾の自動小銃が弾倉を使用するのと同じに電池を弾倉のように使用し、電池容量を撃ち尽くすと電池を弾倉のように交換する、という方式を構想された。だがレーザー銃としての威力、殺傷能力と装甲の貫徹能力を付与する為には、電力の必要量が高く初期試作型は1発毎の弾倉交換が必要であった。数百年前のマスケット銃のように単発だけの発射になってしまい、当然ながら弾倉電池の容量拡大が求められた。試行錯誤の末に現在は25発の発射が可能になり、銃として実用に耐えうる代物となったのである。

一通り説明を終えた国防大臣は危機管理センターの大型モニターに、レーザー銃の射撃試験を記録した映像を映し出した。映像ではレーザー銃を構え特性上、一切反動によりブレる事無く連射する様子が捉えられていた。標的にされていた装甲板は見事に貫徹されており、その破壊力の高さが証明されていた。叶総理以下閣僚達は驚いていたが、特にリモート参加している総司令官は人造人間への対抗策が出来たとして喜んでいた。そして叶総理に早急な正式採用と量産を直訴したのである。それは叶総理としても当然と思い、国防大臣に尋ねた。国防大臣は現状でも十分に実戦投入は可能であるが、発射容量を現在の25発から40発に拡大させる為に弾倉電池の改良を行っており、40発に到達してから正式採用量産を開始したいと答えた。

それに叶総理は弾倉電池の寸法は25発から40発に拡大するのに際して、変更となるのか尋ねた。それに国防大臣はレーザー銃本体は変わらないので、それにより弾倉も変更しないと答えたのである。それを聞いた叶総理はレーザー銃本体と25発弾倉電池は早急に正式採用量産を行い、後に40発弾倉電池が実用化されれば弾倉電池のみを更新すれば良いと語ったのである。

それを聞いた国防大臣は目から鱗であったようで、早急に正式採用量産を進めると答えた。叶総理も量産の為の緊急予算編成を進める事にし、人造人間への対抗策は思ったよりも早く可能であった。ロシア戦線での対策が決定した事により、叶総理はヨーロッパ合衆国への対抗策としてイラン戦線での全面攻勢を開始するように命令したのであった。

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