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新世紀最終戦争  作者: 007
第9章 再燃
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打撃戦

人造人間のレーザー砲の威力と防御力に、亜細亜条約機構軍の前線は崩壊寸前であった。半年前のヨーロッパ合衆国陸軍による侵攻では、歩兵部隊の自動小銃でも数人がかりで弾倉を撃ち尽くす程の集中砲火を加えると、人造人間といえど破壊出来た。だが今回は歩兵部隊の銃火器は一向に効果を発揮しなかった。自動小銃のアタッチメントであるアンダーバレルグレネードでも、人造人間を破壊出来なかったのである。さすがに対戦車ミサイルを発射出来れば破壊出来たが、それ程までに人造人間の防御力は向上していたのだ。




『前線での状況は最悪の一言に尽きた。大日本帝国陸軍が展開する前線は48式二足歩行戦車鋼龍を前面に押し出し、その装備する20ミリレーザーガトリングガン4門と185ミリレーザー砲発射機2基でヨーロッパ合衆国陸軍人造人間を撃破しており、45式戦車も大日本帝国空軍の45式ステルス戦闘攻撃機閃光の航空支援により苛烈な超電磁砲による砲撃を加えていた。だがその他の亜細亜条約機構軍であるロシア連邦陸軍・中華連邦陸軍・インド陸軍・アメリカ西岸連邦陸軍が、ヨーロッパ合衆国陸軍の人造人間により押されていたのである。

前線からの報告と偵察衛星・戦車・航空機・ティルトジェットのガンカメラからの映像から、ヨーロッパ合衆国陸軍人造人間の胸が巨大化しておりそのレーザー砲の威力が向上している事が分かった。そのレーザー砲により亜細亜条約機構軍各国の戦車は撃破されていたのだ。大日本帝国陸軍は何とか空軍の支援もあり戦線を食い止めていたが、亜細亜条約機構軍各国が戦線を後退させると大日本帝国陸軍総軍総司令官は突出した事による包囲殲滅を危惧して、全軍に対して後退を命令していた。

後退するのは戦術的観点から見れば戦線を食い止めているのに悔しい事ではあるが、戦略的観点から見ればむざむざ自分達が踏ん張り続ける事により突出し包囲殲滅される危険性がある為に、総司令官の命令は当然のものであった。総司令官の命令に大日本帝国陸軍総軍を構成する各方面軍司令官たる将軍達も当然ながら賛同し命令を実行。実際に戦場で相見える兵士達も、包囲殲滅される事は悪夢である為に大日本帝国陸軍もずるずると後退を続けた。

後退を続ける中で唯一の救いは大日本帝国空軍が航空優勢を確保し続けており、ヨーロッパ合衆国空軍による空襲を防いでいた事であった。だが戦況は悪化し続け、ヨーロッパ合衆国陸軍の侵攻開始から僅か3時間で戦線は100キロ近く後退する事になってしまったのである。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋

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