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新世紀最終戦争  作者: 007
第8章 思惑
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トラファルガー事件

『[ヨーロッパ合衆国デモ参加者を虐殺]衝撃的ニュースが世界を駆け巡った。まさに衝撃的ニュースであった。誰が陸軍の戦車が自国民を轢き殺すのを予想出来たであろうか。その模様はSNSで数多くの人がライブ配信を行っており、生々しい映像で世界中に配信されていた。しかも一部の配信者はライブ配信を行いながら戦車に轢き殺されており、その衝撃的な映像は戦慄の光景を映し出していた。しかもその後の陸軍による銃撃も映し出されており、悪夢のような映像になっていた。あまりの惨状に遂には一部のデモ参加者達も暴徒化し、陸軍と警察を襲撃する事態になった。陸軍を襲撃した暴徒は簡単に蹴散らされたが、警察は陸軍に比べると装備が軽装である為に格闘の末に警察にも死傷者を出し装備を奪われる事態になったのである。

だがこの[警察に死傷者が発生し暴徒が武装した]、との新たな局面が陸軍と仲間を殺された警察の行動を更に過激化させる結果となった。マスコミは戒厳令発令により報道管制が行われており、離脱運動の模様は中継していなかった事も陸軍と警察が過激化する理由の一助となっていた。その為に過激化しての弾圧は表向きは、情報が公開される事は無かった。ヨーロッパ合衆国政府の公式発表では、[一連の動乱で民間人と軍・警察の合計319人が死亡]となっているがこの事件による死傷者についてはヨーロッパ合衆国による報道規制により、客観的な確定が不可能であり数百人から数万人に及ぶ等複数の説があり、死傷者数は定かではないのである。

後に行われた離脱運動参加者のインタビュー中で、トラファルガー広場から完全にデモ隊が放逐された後に、ヨーロッパ合衆国陸軍の手によって死体が集められ、その場で焼却されたと述べている。死傷者数は定かでは無いが非武装で平和的に行われていた離脱運動が、ヨーロッパ合衆国により陸軍と警察の実力行使で弾圧されたのは動かし難い事実であり第三次世界大戦に於ける悲劇となった。ヨーロッパ合衆国がなぜこのような暴挙を行ったのか、それは予想するしか無いが恐らくは他の旧王国州へ離脱運動が拡大するのを恐れたが故の行動だと思われる。命令を下した張本人であるシャーロット元大統領は、セントヘレナ島に流刑となっている為にいつかインタビューにより真相を聞き出す事が出来ると思うが、それはまだまだ先になると思う。

だが結果としてはこの[トラファルガー事件]と呼ばれる弾圧により、イギリス州での離脱運動は更に過熱する事になったのであった。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋

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