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新世紀最終戦争  作者: 007
第8章 思惑
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新たな対策

大日本帝国がヨーロッパ合衆国のイギリス州で離脱運動支援を決定したのと同時刻。ヨーロッパ合衆国もドイツ州ミュンヘンの大統領官邸で対策会議を開いていた。内容は当然ながら中東アフリカ地域での、レジスタンス蜂起に対してであった。この対策は常々言われておりヨーロッパ合衆国としても取り組んでいた筈であった。だが今回の事態はその対策や想定を遥かに上回る規模のレジスタンス蜂起であった。対策会議では冒頭に今回の中東アフリカ地域でのレジスタンス蜂起による被害が報告されたが、それは合計17カ所のヨーロッパ合衆国軍基地に攻撃を受けるという惨憺たる結果であった。

詳細は陸軍基地9カ所と空軍基地8カ所に攻撃を受け、全ての基地に於いて司令部と弾薬庫が破壊される被害を受けていた。陸軍基地では整備を行っていた主力戦車ニーズヘッグと自走170ミリ超電磁砲アウズンブラが整備所諸共に破壊される被害を受けており、空軍基地もステルス戦闘攻撃機ミッドガルドとステルス戦闘攻撃機ニヴルヘイムが格納庫諸共に破壊されていた。しかも空軍基地は滑走路も所々破壊され、遅発信管式の爆薬も仕掛けられていた為に修理作業中の被害も増加していた。全てに於いて徹底した破壊活動であり国防大臣は、大日本帝国軍特殊部隊の関与を確信していると断言したのである。

だがそれはある種分かり切っていた事であり、肝心なのはレジスタンス組織摘発や大日本帝国軍特殊部隊を排除出来るかにあった。その点をシャーロット大統領は質問したが、国防大臣は憲兵隊や治安維持の為の陸軍部隊増派しか手立ては無いと答えたのだ。確かにそれしか手段は無いといえたが、ロシア戦線とイラン戦線が膠着状態の現状で中東アフリカ地域に治安維持の為だけに陸軍部隊を派遣するのは、芳しく無い方針であった。ヨーロッパ合衆国という嘗てのヨーロッパ諸国が統合して成立した国家であり、その上イランより以西の中東地域とアフリカ大陸全土を領有する、人類史上最大の国家であるヨーロッパ合衆国はその広過ぎる国土故に兵力不足が深刻であった。嘗て人類史上最大の規模を誇った大英帝国を遥かに上回る領土を有する事になったが、現状での兵力不足が戦争を膠着状態にさせていた。

それを打開する為に人造人間の量産を全力で行っていたが、その生産分を中東アフリカ地域に振り分けるしかない事態になってしまったのだ。これは閣僚達の誰もが、大日本帝国の思惑通りであり時間稼ぎにされていると判断したのであった。

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