解説 特殊部隊解説
前作『新世紀日米戦争』の『閑話休題 特殊部隊解説』を丸々再掲です……
特殊部隊が活躍しますので、自分用にも備忘録として再掲しました。
それに今日の執筆分はラク出来ますからね……
『大日本帝国軍は、4軍全てが特殊部隊を保有していた。大日本帝国陸軍は総軍直轄で、第1レンジャー連隊・陸軍特殊戦部隊・帝国特殊作戦群・特殊航空連隊。大日本帝国海軍は軍令部総長直轄で、特務陸戦隊。大日本帝国空軍は航空総隊直轄で、特殊作戦航空団。大日本帝国海兵隊は総司令官直轄で、海兵特殊作戦群。合計で7個の特殊部隊を保有している。
陸軍の第1レンジャー連隊は、日米同盟時にアメリカ合衆国陸軍の第75レンジャー連隊を参考に創設された。代表的な任務は、空挺降下による強襲や爆破工作、隠密偵察、目標回収任務などがある。他には大日本帝国や同盟国の常備軍の支援なども行う。また、敵後方での任務にあたる縦深偵察小隊、特殊訓練を施された水中工作員を保有している。
陸軍特殊戦部隊は戦闘部隊であると共に、友好国の軍や親日軍事組織に特殊作戦や対ゲリラ戦の訓練を施す訓練部隊でもある。戦時には人心獲得作戦や現地人で構成されたゲリラ部隊の編制および訓練、指揮など不正規作戦が主な任務である。主任務である不正規作戦の他、陸軍特殊戦部隊には外国国内防衛、特殊偵察、直接行動、対テロ作戦、戦闘捜索救難、 人質救出作戦等の幅広い任務を付与されている。実際に彼らが戦闘に参加する際は、対ゲリラ戦、敵地や敵部隊の偵察・斥候、正規部隊の先導といった突入任務、空挺部隊の降下地点の選定誘導、爆撃機や攻撃機の爆撃誘導など、最前線で後続を確保するための血路を開くことが主な任務となる。また、敵の後方攪乱や破壊工作なども行う。
第1レンジャー連隊と陸軍特殊戦部隊よりも更に練度が高い特殊部隊として、帝国特殊作戦群が存在する。イギリスのSAS特別プロジェクトチーム(正式名称 SAS対ハイジャック・対テロ部隊) 通称CRW wing(対革命戦中隊)と呼ばれるや、アメリカ合衆国の第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(通称デルタフォース)を参考に対テロ部隊の必要性を提唱したのが、創設のきっかけである。通常は4人一組で行動する。近接戦闘等のほか、現地の語学に精通するなど頭脳面でも高い水準が要求される。演習時には他部隊の一般の兵士に容易に作戦内容を知られぬようにドイツ語やフランス語を使って作戦会議を行うなど、隊員の語学水準は非常に高い。任務の中では民間人に偽装する必要もあるため、頭髪は他の部隊に比べて自由度が高い。また、服装も任務の性質によっては必ずしも軍服を着るとは限らないようで、民間軍事会社の警備要員のように私服に近い服装に武装して任務に当たる。
特殊航空連隊は大日本帝国軍及び友軍特殊部隊のヘリコプターを用いての輸送・回収・救出等を主任務とした特殊部隊(航空支援部隊であるが、任務の性質上特殊部隊)である。総軍直轄のヘリコプター輸送連隊とは違い、更に高度な操縦技術を要求される為に入隊資格や選抜訓練は厳しい。
海軍の特務陸戦隊は海軍内の陸戦隊復活の声におされ、アメリカ合衆国のネイビーシールズを参考に創設された。復活した陸戦隊はネイビーシールズを参考にしたように、敗戦前とは組織の意義が大きく異なっていた。陸海空問わずに偵察、監視、不正規戦等の特殊作戦に対応出来る能力を持っている。高度な水泳と潜水スキルを持っており、危機的状況において「水のある所へ逃げる」ことで難を逃れた事例も多い。輸送チームなどを除きパラシュート訓練が必須となっているため、空挺作戦も可能である。パラシュート降下時にゴムボートも降下させて海に着水し、空から水上作戦を展開することができる。また海や河川が存在しない地域でも活動している。極限的な環境である北極圏の水中でも作業できるため、陸上の過酷な環境での作戦従事も多い。任務は通常2名から4名で行動する(場合によっては2の倍数で増員される)。一個小隊は14人〜16人で編成。士官2人、兵曹長・先任下士官各1人、下士官・水兵10人〜12人の編成とされる。武器・装備は、任務内容や役割に応じて適意自由に選択される。
空軍の特務作戦航空団は、特殊部隊員の潜入・回収支援、対テロ作戦、偵察・監視・観察、近接航空支援、戦闘捜索救難等の実施のほか、ラジオ・テレビなどを用いた心理戦も行なう。空軍の特殊部隊である為に、地上戦よりも航空機を用いた特殊作戦が主任務になる。
海兵隊の海兵特殊作戦群は、主に敵地における威力偵察(どちらかと言えば斥候部隊に近い)を主任務とする部隊であり、本隊上陸前の偵察や敵地攻撃を行うことで敵戦力を把握する特殊部隊である。アメリカ合衆国海兵隊のフォース・リーコンと違い戦闘斥候だけで無く、本格的な急襲も海兵特殊作戦群が行う。戦闘能力が高くCQB、射撃、爆破等に長けており、その実力は海軍特務陸戦隊にも匹敵するとされる。また、さらなる交戦を余儀なくされた場合、彼らには艦砲射撃や戦闘機、爆撃機を使用した攻撃の権限まで与えられており、加えて油田・船舶への奇襲、人質救出、敵陣地破壊などの強襲攻撃型任務も可能である。海兵隊は、陸軍の空挺部隊と共に緊急展開即応部隊として派遣される。航空機で短時間に展開できる反面、装備が不十分な空挺部隊と比べて、艦艇で移動することの多い海兵隊は、重装備で任地に赴けるという利点が存在する。それゆえ海兵特殊作戦群は、多少困難が想定される状況下においても、戦略上有益と判断された場合は、作戦地域に向けて偵察や襲撃に投入される。装備面では、各監視装置や衛星、秘匿通信システムなどの最新機器を使用し、地上のあらゆる場所から司令部へ向けて情報を送信できる。』
広瀬由梨絵著
『大日本帝国特殊部隊解説』より一部抜粋