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新世紀最終戦争  作者: 007
第7章 試行錯誤
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シャーロット大統領年頭記者会見

2049年1月5日。ヨーロッパ合衆国ドイツ州ミュンヘン大統領官邸でシャーロット大統領による、年頭記者会見が行われた。大日本帝国では叶総理が伊勢神宮を参拝したが、ヨーロッパ合衆国ではそのような事は行われていなかった。

何せかつてのヨーロッパ地域が一つの国家になった事により、国内に抱える宗教は各宗派も入れると膨大な数にのぼった。その為にヨーロッパ合衆国として成立して以後は各王族の扱いと共に、宗教に関しても敢えて国家としては一切関知しない事が取り決められた。そうでもしないと宗教観において対立が避けられなかったからだ。

その為にヨーロッパ合衆国では単に大統領が大統領官邸で年頭記者会見を行うだけになっているのである。




『尊敬する連邦議会の上下院の議員の皆さん。尊敬するヨーロッパ合衆国国民の皆さん。尊敬するヨーロッパ合衆国軍の皆さん。皆さんと新年を祝う事が出来て、私は嬉しく思います。今日私は、我が国にとってこの困難な時代に、世界において抜本的かつ不可逆的な変化が起き、我が国と我が国民の未来を決定づける重要な歴史的に最も重要な出来事が起き、その巨大な責任を我々一人ひとりが負っている大戦争の最中に演説を行います。昨年我々の歴史的な土地に住む人々を守る為、我が国の安全を保障する為、そして反ヨーロッパ体制による脅威を取り除く為に、トルコに対する特別軍事作戦、中東アフリカ諸国侵攻作戦、ネオバルバロッサ作戦、トルコ侵攻作戦の決定が下されたのです。

そして我々は一歩ずつ、慎重に、そして一貫して、我々の前にある課題を解決していく事を決意し、それは着実に成果を上げています。一方皆さんもよくご存じのように、私達はこの問題を平和的手段で解決するために、本当にできる限りのことを行い、この極めて困難な事態を平和的に解決するため、忍耐強く協議を行ったのです。しかし、我々の背後ではまったく別のシナリオが用意されていたのであります。

今私達は大日本帝国と亜細亜条約機構の指導者たちが世界の平和を目指すとした約束が口実であり、残酷な嘘であったことを理解したのです。彼らは時間を引き延ばし、形式主義を取り、政治的な殺害や気に入らない者に対する罪の無い無垢の市民への迫害、信者たちに対する侮辱的行為に目をつぶり、地域の安定ににおける重要な組織へのテロ行為をますます強く奨励したのであります。これは邪悪なる大日本帝国が主導権を握り行った最悪の行為であります。地球上最後の帝国である時代錯誤も甚だしい帝国主義者は、自国内での麻薬蔓延の原因を我が国の責任だと捏造して、難癖をつけて来たのです。

これは由々しき事態であります。そしてその事態はやがて我が国の地域の安定を乱す事になり、我が国の安全保障政策の根底を覆す事になる、トルコの亜細亜条約機構加盟宣言に繋がったのです。トルコの民族主義者の軍隊に所属する将校らは大日本帝国と亜細亜条約機構の軍事アカデミーや学校で訓練を受け、あまつさえ武器までも供給されたのです。

特に強調したいことはトルコへの特別軍事作戦の開始前から、トルコと西側諸国との間では各種軍事兵器その他の重装備のトルコへの供給交渉が行われていたことなのです。これは看過できない問題です。トルコ政権が核兵器を獲得しようと奮闘していたではないか、これを彼らは公言していたではないか、疑念は深まるばかりです。

トルコが亜細亜条約機構に加盟すれば大日本帝国と亜細亜条約機構は、我が国の国境付近に自国の軍事基地と秘密の生物学研究所を急速に展開する事が可能になります。彼らは将来の軍事行為の演出をマスターし、自分たちに従属させ、自分たちの手で奴隷化したトルコの政権に大戦争に向けた準備をさせていたのであります。だからこそ私は核攻撃という強硬手段を用いてトルコへの特別軍事作戦を早期に終結させたのであります。

その後は大日本帝国と亜細亜条約機構による資源の優位性に対抗する為、国内の資源供給体制を安定させる為に、中東アフリカ諸国への侵攻を開始致しました。この作戦により我が国は盤石なる体制になりましたが、帝国主義者である大日本帝国はロシア連邦との国境線に軍隊を集結させていたのであります。

その為にも私はヨーロッパ合衆国を野蛮なる帝国主義者とその従属国の脅威から守る為に、ネオバルバロッサ作戦を開始する決定を下したのであります。これにより大日本帝国と亜細亜条約機構、そして南北アメリカ大陸諸国という国々が連合し対ヨーロッパ合衆国大同盟になり、第三次世界大戦という事態に突入しましたがこれは明白なる使命を有するヨーロッパ合衆国に与えられた試練です。

国民の皆さんにはご不便をお掛けしますが、是非とも協力していただきますようにお願い致します。最後に新年おめでとう、皆さんが健康で過ごせるように祈っています。』

シャーロット大統領年頭記者会見より一部抜粋

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