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新世紀最終戦争  作者: 007
第6章 猛る炎
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対策会議

海軍が行動不能になった事で、事態は新たな局面を迎える事になった。叶総理は危機管理センターの対策会議で、次なる対策を決定する必要性に迫られたのである。

だが現状ロシア戦線は冬将軍の出陣により膠着状態に陥っていた。それはかつての独ソ戦の再来であった。雪による行動の阻害は大きく、ある程度雪が降り積もり大地に固くならないと戦車等の機甲車輌は行動出来なかった。その為の膠着状態であり、敵味方双方にとって今は雪への対策が急務だった。

そこで行動するとなれば、イラン戦線であった。海軍の活躍によりイラン戦線も膠着状態になっていたが、その海軍が行動不能になり抑えが無くなった。大日本帝国は陸軍の増援を派遣しようとしていたが、今月半ばにならないと予備役師団200個の派遣は出来なかったのである。

他の亜細亜条約機構加盟国も同じような時間が必要であり、陸軍の派遣は時間が必要であった。そこで対策会議では空軍による航空撃滅戦の実施が決められたのである。現状動けるのは空軍だけであり、その能力を活かす選択肢として採用された。それは亜細亜条約機構加盟国にも伝えられ、空軍の派遣による航空撃滅戦は賛同を得た。

その結果イラン戦線が俄に活発化する事になったのである。





『インドの海軍基地に辿り着いた大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群は、補給整備を行う事になった。人類史上最大の飽和攻撃を行い、歴史的大勝利を果たした連合艦隊の凱旋であった。だが被害は、亜細亜条約機構海軍に集中していた。

艦隊分離という手段を取るしか無かったのは事実だが、あまりにも悔しい結果だった。連合艦隊機動打撃群の臨時旗艦となっているイージス原子力戦艦大和のCICは漸く落ち着いていた。

本土の連合艦隊司令部から連合艦隊司令長官が直々に勝利を称える連絡を行ってくれたのが、CICの空気を僅かながら和らげる効果をもたらしていた。その中で連合艦隊司令長官は作戦通り艦隊分離を行った以上、今回の責任は一切無い事は明白である為に何も責任を感じる必要は無い、そう断言してくれていた。

むしろ連合艦隊創設以後史上最大の大戦果であり、勲章として功一級金鵄勲章が授与される事が決定したとも伝えられた。大日本帝国軍人に与えられる唯一の武人勲章であり、その最高位が与えられる事になったのである。

前回の功一級金鵄勲章授与者は新世紀日米戦争時である。太平洋におけるアメリカ合衆国海軍空母戦闘群との戦いで指揮を行った、大日本帝国海軍連合艦隊空母機動部隊の最先任司令官と、アメリカ合衆国本土戦で陸軍部隊を率いた総指揮官であった。功級は一級から五級まであり、二級から五級は軍功に応じて授与されていた。

その軍人に与えられる最高位の勲章が授与されるのである。責任を感じていた司令官であったが連合艦隊司令長官直々にそう言われ、勲章も授与されるとあってはこれ以上悔やんでいるのは逆に失礼に当たるとして気持ちを切り替えた。

艦長以下海戦に参加した連合艦隊機動打撃群全員にも金鵄勲章が授与される事も伝えられた為に、士気は高まっていた。その決定的な理由は連合艦隊司令長官が、今回の責任は高度な政治的判断が下される為に気にする必要は無い、そう断言したからである。

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋




叶総理が決定した通り、イラン戦線には再び大規模な空襲が行われる事になった。その規模は凄まじい規模になり、亜細亜条約機構加盟国も空軍を派遣して空襲に参加した。全ては各国の陸軍予備役招集の時間稼ぎでもあった。

その為に行わる事になったがヨーロッパ合衆国も真正面から対抗する事になり、イラン戦線の空は大規模な空戦が繰り広げられた。

だがそんな大日本帝国と亜細亜条約機構にとっては嬉しい状況にはなっていた。対ヨーロッパ合衆国大同盟に参加したが、目立った動きをしていなかった南北アメリカ大陸の国々が正式に軍を派遣すると表明したのである。

その理由はやはり大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群の大勝利が大きかった。ヨーロッパ合衆国海軍機動部隊が半減したのである。これにより南北アメリカ大陸の国々に対する圧力は大幅に減少した。まだヨーロッパ合衆国海軍は10個機動部隊を保有していたが、だからといって迂闊に動く気配はみられなかった。

その理由により南北アメリカ大陸に対する圧力、そして侵攻は行われないとの判断を下して、イラン戦線に陸軍部隊を派遣すると表明したのである。万が一に備える為に南北アメリカ大陸各国は陸軍を半数は残しての派遣となったが、それでも大日本帝国と亜細亜条約機構各国にとっては有り難い表明であった。

これにより戦況はますます激しくなっていくのであった。


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