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新世紀最終戦争  作者: 007
第5章 開戦
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反撃

大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群は反撃を開始した。

各機動打撃群のイージス原子力空母赤城級は、45式艦上ステルス戦闘攻撃機極光の発艦を行っていた。レーザー核融合炉の搭載により電力は気にする事無く、リニアカタパルトを使って続々と発艦させ続けた。その間にヨーロッパ合衆国海軍機動部隊の空母艦載機が着艦し補給を行い、再度出撃して来たのである。

ヨーロッパ合衆国海軍機動部隊の艦上ステルス戦闘攻撃機ユグドラシル隊は、今度は低空飛行による進入を行い近距離からの対艦ミサイル攻撃を行おうとしていた。だが大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群は的確に捕捉し続けた。

今度はVLSからの40式対空ミサイルは発射せず、各艦艇は超電磁砲の砲撃を行った。艦上ステルス戦闘攻撃機ユグドラシル隊も、無人遠隔操縦機の為に回避機動は高く回避はしたがそれでも限界はあった。そして接近を諦め対艦ミサイルを発射した。だがその対艦ミサイルも各艦艇のレーザー砲やレーザーガトリングガンによって容易く迎撃されたのである。

退避行動に移った艦上ステルス戦闘攻撃機ユグドラシル隊であったが、その背後から45式艦上ステルス戦闘攻撃機極光がレーザーガトリングガン攻撃を行い、次々と撃墜されていった。

45式艦上ステルス戦闘攻撃機極光が艦上ステルス戦闘攻撃機ユグドラシルを撃墜している間に、大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群は45式巡航ミサイル攻撃を開始した。

イージス原子力戦艦大和級はVLSに580発、イージス原子力巡洋艦妙高級はVLSに240発、イージス原子力駆逐艦秋月級はVLSに160発、攻撃型原子力潜水艦海神級はVLSに80発、それぞれ45式巡航ミサイルを装填していた。連合艦隊機動打撃群としてはイージス原子力戦艦大和級は8700発、イージス原子力巡洋艦妙高級は7200発、イージス原子力駆逐艦秋月級は9600発、攻撃型原子力潜水艦海神級は1200発、これだけの数の45式巡航ミサイルを装填している事になった。

そして司令官の命令通り全力攻撃を行う事になり、大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群の全艦艇は活火山のようにVLSから45式巡航ミサイルを次々と発射したのであった。



『40式艦上早期警戒機の映像がCIC内の大型モニターに映されていたが、その光景は圧巻の一言であった。先程ヨーロッパ合衆国海軍の対艦ミサイル攻撃が、6400発に及ぶ人類史上最大の飽和攻撃と記したが今回の大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群による45式巡航ミサイル攻撃こそが、人類史上最大の飽和攻撃であった。

それだけのインパクトが目の前の大型モニターに映されていたのである。単純計算で26700発もの45式巡航ミサイルが発射されたのだ。もちろんイラン戦線への支援攻撃を行っていた為に26700発は出撃時の状態での数字である。だが20000発前後はヨーロッパ合衆国海軍に向けて発射された筈であった。

壮絶な光景が映し出される大型モニターを見ていると、司令官が近寄り口を開いた。「ロシア連邦海軍に見せたかったですね。」私はその意味を悟り、答えた。「旧体制のソビエト連邦海軍が確立した対艦ミサイル飽和攻撃が、時を経て大日本帝国海軍連合艦隊が対艦兼用の巡航ミサイル飽和攻撃を行っていますもんね。確かに見て欲しいですね。」

その返答に、司令官は笑みを浮かべた。だが少し考える表情をすると、通信担当士官に尋ねた。「赤城からヨーロッパ合衆国海軍の原潜を発見したと報告は?」その言葉に担当士官は入っていないと答えた。

それを聞いた司令官は全機動打撃群の空母に対して5式艦上対潜哨戒機を総動員して、捜索にあたるように命令したのであった。そして亜細亜条約機構海軍に対しても警戒するように、連絡する事を命令した。司令官は悪い予感がする、そう呟いていた。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋




大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群の行った人類史上最大の飽和攻撃は、45式巡航ミサイルによる数の暴力であった。ヨーロッパ合衆国海軍機動部隊は必死の迎撃を開始したが、数が多過ぎた。

しかもヨーロッパ合衆国海軍の防空システムはヨーロッパ合衆国独自開発のヘカトンケイルシステムを搭載し、大日本帝国のイージスシステムに対抗出来るヨーロッパ合衆国の誇る防空システムとなっていたが、その運用経験が少な過ぎた。

開発の成果はイージスシステムに対抗出来る筈であったが、かつてない数の巡航ミサイルに処理しきれなかったのである。VLSから次々と対空ミサイルを発射し、残り少ない超電磁砲による砲撃を行ったがその迎撃は追い付いていなかった。

レーザー砲やグラム短距離対空ミサイル・リジル近距離対空ミサイル・40ミリレーザーガトリングガン・20ミリレーザーガトリングガンも迎撃を開始したが、やはり大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群と比べて密度が低かった。それにより遂にヨーロッパ合衆国海軍機動部隊臨時旗艦原子力戦艦オーディンに、45式巡航ミサイルが命中した。

爆発の破壊力により48センチ超電磁砲は砲塔ごと吹き飛んだ。オーディンを皮切りに次々とヨーロッパ合衆国海軍機動部隊の艦艇に45式巡航ミサイルは命中していった。大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群は超電磁砲による砲撃も開始し、次から次へとヨーロッパ合衆国海軍機動部隊は沈められていったのである。

そして仕上げとして45式艦上ステルス戦闘攻撃機極光が対艦ミサイルを次々と発射。もはや艦艇数も少なく、被弾による兵装破損でまともに迎撃が行えないヨーロッパ合衆国海軍機動部隊に防ぐ手立ては無かった。

30分に及ぶ時間が経過すると、アラビア海にヨーロッパ合衆国海軍艦艇は浮かんでいなかった。勝利に湧くイージス原子力戦艦大和のCICであったが、そこにアメリカ西岸連邦海軍の旗艦イージス原子力戦艦フロンティアから、悲報が舞い込んだ。

『ヨーロッパ合衆国海軍攻撃型原潜の雷撃により、被害甚大!!大至急支援を求む!!』


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