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新世紀最終戦争  作者: 007
第5章 開戦
110/262

アラビア海海戦

2048年11月3日。アラビア海に展開する大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群を中心とする亜細亜条約機構海軍と、ヨーロッパ合衆国海軍機動部隊が激突した。

ヨーロッパ合衆国海軍の進出は大日本帝国は偵察衛星により探知しており、アデン湾に進出して来た段階でイラン戦線への地上支援を中止してヨーロッパ合衆国海軍を迎え撃つ体制を整えた。

アラビア海に進出したヨーロッパ合衆国海軍機動部隊は合計で10個であり、保有する機動部隊の半数であった。対する大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群は保有する15個全てが出撃しており、ロシア連邦海軍太平洋艦隊は5個機動打撃群・中華連邦海軍は5個機動打撃群・アメリカ西岸連邦海軍は3個機動打撃群・インド海軍は3個機動打撃群・タイ海軍と大韓民国海軍は合同編成で1個機動打撃群相当と、各国海軍も保有する海軍を全て派遣していた。

32対10という情勢であり、亜細亜条約機構海軍が圧倒的に優位であった。だがヨーロッパ合衆国海軍と戦うのは大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群のみとなっていた。ロシア連邦海軍太平洋艦隊・中華連邦海軍・アメリカ西岸連邦海軍・インド海軍・タイ海軍・大韓民国海軍はイラン戦線への支援攻撃を続ける事になっていたのである。

それはヨーロッパ合衆国海軍も阻止しなければならないが、イラン戦線への支援攻撃もイラン戦線の亜細亜条約機構軍が大損害を被り劣勢な状態である以上は、海軍の分散は致し方無い選択肢であった。分散するとなるとやはりヨーロッパ合衆国海軍に立ち向かうのは、大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群となるのである。

その為に大日本帝国海軍連合艦隊機動打撃群の最先任司令官である、大和機動打撃群司令官は亜細亜条約機構海軍にイラン戦線支援を託すと全機動打撃群を率いてヨーロッパ合衆国海軍に立ち向かったのである。



『私はロシア戦線からいきなりアラビア海に展開する、大日本帝国海軍連合艦隊大和機動打撃群イージス原子力戦艦大和に乗り込んでいた。それは突然の連絡であった。2048年11月1日にロシア連邦の冬将軍による豪雪によりロシア戦線が小康状態になった訳だが、その状況を見透かしたように大日本帝国国防省から連合艦隊機動打撃群への同行取材を要請されたのである。

本当に突然の連絡であった。近く勃発するアラビア海での海戦を同行取材して欲しいとの事であった。しかも海戦が終わればまたロシア戦線に戻って欲しいとも付け加えられていた。

その連絡を受けて総司令官に事情を説明しに行くと、総司令官にも連絡は届いていた。そして「広瀬さんはある意味で我が国にとっては重要な作家ですからね。海軍の同行取材も行ってほしいと、国防省は判断したのでしょう。それに今は冬将軍によって行動は出来ません。多少なりとも人使いが荒いのは同情しますが、取材頑張って下さい。」と言ってくれたのである。

そして私はそのまま総司令官が手配してくれた6式汎用ティルトジェットに乗り込み、最寄りの空軍基地へと移動した。そこで46式中型輸送機に乗り込み、イランに移動。そこで連合艦隊大和機動打撃群のイージス原子力戦艦大和から飛んで来た、41式艦上汎用ティルトジェットに乗り込みイージス原子力戦艦大和に辿り着いたのである。

長い旅路を経て辿り着いた私を大和機動打撃群の司令官以下幹部陣は、歓迎してくれた。「ようこそ、お越し下さいました。広瀬さんの著作は私の愛読する物です。むさ苦しいかもしれませんが、女同士気楽にいきましょう。」司令官はそう言ってくれたのである。私はお礼を述べながら、司令官以下幹部陣に挨拶をし、私が同行取材している間の諸々を担当してくれる士官の案内で、私に与えられた一室に案内してくれた。それにしてもイージス原子力戦艦大和である。

2042年からの第9次国防力整備計画で建造され、2046年に就役した人類史上最大の軍艦である。かつて明治時代末期に大日本帝国海軍の金田秀太郎中佐(最終階級は海軍中将)が提唱した超巨大戦艦、[50万トン戦艦]には及ばないがそれでも超巨大戦艦と言えた。全長480メートルで最大幅78メートルとなり、レーザー核融合炉を搭載した事により速力35ノットで満載排水量30万トンの巨体を動かす事が可能であった。

武装も驚異的な物を誇った。55センチ超電磁砲という世界最大の艦載砲を3連装6基18門も搭載し、30センチ超電磁砲も3連装2基6門搭載していた。更には150ミリ超電磁砲連装40基80門、100ミリレーザー砲単装40基40門、35式VLS580セル、3式短距離対空ミサイル8連装発射機40基、1式近距離対空ミサイル21連装発射機40基、40ミリレーザーガトリングガン60基、20ミリレーザーガトリングガン80基と圧倒的な武装となっていた。

もはや書くのも億劫になる程である。そしてこれ程の巨大戦艦を15隻も保有しているのが、大日本帝国海軍連合艦隊なのであった。

部屋に荷物を下ろし一息ついていると、担当士官が部屋を訪ねてきた。そして、ヨーロッパ合衆国海軍機動部隊が空母艦載機の出撃準備を行っているのを捕捉した、と語ったのである。その攻撃の迎撃を観戦してもらう為に、司令官がCICに招待するとの事であった。私は司令官の好意に感謝すると、担当士官に従いCICを目指して部屋を出たのである。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋

広瀬さんには大変ですが、行ったり来たりしてもらいます。

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