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新世紀最終戦争  作者: 007
第5章 開戦
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第2次反攻作戦

2048年10月22日。亜細亜条約機構軍はロシア戦線に於いて、第2次反攻作戦を開始した。ヨーロッパ合衆国陸軍の侵攻を食い止めるには、逆にこちらから打って出るべきだ、そう大日本帝国陸軍ロシア派遣部隊総司令官は作戦会議で語ったのである。

それは現状打破には必要な措置でもあった。ロシア連邦陸軍と中華連邦陸軍・インド陸軍はヨーロッパ合衆国軍の弾道ミサイル飽和攻撃により、一時的に部隊が半壊する程の打撃を受けた。現在はロシア連邦陸軍は予備役招集を行い、中華連邦陸軍・インド陸軍は本国からの増援を行ったが、それを何時までも繰り返していては自分達が疲弊するだけである。

何とかしてヨーロッパ合衆国陸軍に被害を与えなければならなかったのである。そして決定したのが第2次反攻作戦であった。




『亜細亜条約機構軍の第2次反攻作戦はかつてない規模で開始された。そしてそれは前回失敗した、[第1次反攻作戦]に次ぐ[第2次反攻作戦]とも言える程の規模でもあった。第1次反攻作戦はヨーロッパ合衆国による弾道ミサイル攻撃により、部隊半壊という壊滅的被害を受けて頓挫した。

だが今回は違ったのである。上空には大日本帝国空軍の45式ステルス戦闘攻撃機閃光が航空優勢を確保しており、ロシア連邦空軍のステルス戦闘攻撃機MIG-52、中華連邦空軍のステルス戦闘攻撃機殲62、インド空軍のステルス戦闘攻撃機クベーラ、アメリカ西岸連邦空軍のステルス戦闘攻撃機F-29も飛来していた。

そして各陸軍部隊は自走レーザー砲を展開し、前回の過ちを繰り返さないように警戒していた。順調に進撃を続ける亜細亜条約機構軍の先頭を切るのは、大日本帝国陸軍機甲師団の[48式二足歩行戦車鋼龍]であった。

そもそも歩行ロボットは大日本帝国が世界最先端をいく技術力を有していた。国防省技術研究本部での研究開発は軍需企業も参加して、大規模な開発体制になっていた。その成果は陸軍の歩兵部隊に[四足歩行支援機鉄馬]として表れた。

更には本田技研工業が二足歩行ロボットを民生発売するまでになったのである。そして歩行ロボット開発の究極点に達したのが、48式二足歩行戦車鋼龍であった。全長7.34メートル、全幅6.12メートル、全高10.49メートルの大きさを誇り、武装は20ミリレーザーガトリングガン4門と185ミリレーザー砲発射機2基を装備していた。

大規模電池の搭載数を増やして185ミリレーザー砲発射機を装備し、航続距離のみならず継戦能力も理論上無限を達成した大日本帝国陸軍機甲師団の秘密兵器だった。

遠隔操縦型の無人兵器であり45式戦車よりも電磁装甲は強力な物が装備され、機甲師団に於いて機動力のある盾の役割も担われており事実ヨーロッパ合衆国陸軍の超電磁砲の砲撃に、48式二足歩行戦車鋼龍は怯む事なく突撃していた。

ヨーロッパ合衆国陸軍にとっては戦慄すべき光景であった。二足歩行戦車が恐るべき速度で迫ってくるのである。そもそも48式二足歩行戦車鋼龍の開発段階で、どのような二足歩行にするか議論は激しく行われた。議論は白熱したが最終的に2つに落ち着いた。

1つは、大日本帝国から世界中で大ヒットしたアニメに登場する、有人操縦型の人形機動兵器である。

もう1つは、これまた大日本帝国から世界中で大ヒットしたゲームに登場する、核搭載二足歩行型戦車であった。

そして採用されたのは、後者のゲームに登場する二足歩行ロボットであった。ゲームに登場する二足歩行ロボットは[REX]と名がゲーム内で付けられており、見た目も恐竜を模していた。その為に兵器として開発すると相手に恐怖感を与えやすいとの、国防省技術研究本部の最終的な判断により採用されたのである。そして完成した48式二足歩行戦車鋼龍は見事に鋼鉄の恐竜であった。

兵器としては絶対に必要で無いが、わざわざ東宝株式会社に頼み怪獣王の咆哮をアレンジしてもらい、その咆哮音声を48式二足歩行戦車鋼龍は装備していた。

その見た目、咆哮、電磁装甲による防御力、レーザーガトリングガンとレーザー砲の破壊力、その全てがヨーロッパ合衆国陸軍の想像を遥かに上回った。最前線に展開した人造人間師団を踏み潰したり、噛み砕く姿はヨーロッパ合衆国陸軍の兵士達に心理的ダメージを与えた。

レーザーガトリングガンとレーザー砲の威力も大きく、ヨーロッパ合衆国空軍のステルス戦闘攻撃機は容易く撃墜され、戦車や装甲車も撃破されていった。あまりにも恐るべき兵器に、ヨーロッパ合衆国陸軍総司令官は後退を命令したのである。

ヨーロッパ合衆国陸軍が後退していく様子は前線からも確認出来た為に、大日本帝国陸軍ロシア派遣部隊総司令官は追撃を命令した。合わせて亜細亜条約機構軍にも追撃要請を出し、ロシア戦線はヨーロッパ合衆国軍の侵攻以来初めて反攻が出来るようになったのであった。』

広瀬直美著

『新世紀最終戦争』より一部抜粋




大日本帝国陸軍ロシア派遣部隊を中心とする亜細亜条約機構軍は、ヨーロッパ合衆国陸軍に大打撃を与える事に成功した。第2次反攻作戦で亜細亜条約機構軍は、ヨーロッパ合衆国陸軍を100個師団も壊滅させる事に成功していた。

亜細亜条約機構軍は大日本帝国・ロシア連邦・中華連邦・インド・アメリカ西岸連邦で合計5個師団の壊滅で済んでいた。防御力の非常に高い48式二足歩行戦車鋼龍を盾にした成果が如実に現れていた。

これを受けて漸くロシア戦線は後退を止める事が出来るとして、体制の立て直しとヨーロッパ合衆国に占領された地域の奪還を目指す事になった。だがヨーロッパ合衆国は更なる侵攻を企てていたのである。

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