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浦川 日歌里ノウラジュウニシ【side:U】

汗っかきで待ちぼうけ

作者: 歌川 詩季

 せかさないで!

 なにを冷や汗かいてやがる?

 心配すんな

 おまえのこと 忘れてるわけじゃない

 残念ながらおれには口は

 こいつひとつしか ついてなくてさ

 いま あたたかいめしを かきこんでるとこなんだ


 氷がぜんぶ とけちまったって

 おれはかまいやしないし

 ちゃんと のみほしてやるから

 そこでおとなしく まっといてくれ



 なにを汗まみれにやってやがる?

 安心してくれよ

 おまえのこと ないがしろにしてるわけじゃない

 もうしわけないが おれには口は

 ここにひとつしか あいてなくてさ

 いま なつかしいつらと 語ってるとこなんだ


 ちぃとばかし ぬるくなったって

 うめえって のどをならすし

 ぜんぶ のみほしてやるから

 そこでもうちょっと まっといてくれ



 テーブルのうえ

 ()かれたコースターを濡らしながら

 汗をかきつづけるグラスに

 もうちょっと おとなしくまってろと

 おれは 声をかけてやる

 ぬるいほうが、味がわかることも。


挿絵(By みてみん)


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【同一課題作品】
それはきっと朝露のせい
作者:日浦海里先生
― 新着の感想 ―
[一言] 猫舌なので、熱いのは苦手でぬるくなってから食べることが多いですね。
[良い点]  待てといいつつ気にかける様子は、用意してくれた方への気遣いでもあるのでしょうか。  時間が立つにつれてらしさは失われても、わからず必要だと言ってもらえる。  幸せなことですね。
[一言] 美味しいごはんバクバクぱくぱく(。・ω・。) 最後に頂くお水は、もっとオイシー♪
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