茶会の始まり
更新が遅くなり申し訳ありませんでした。
――なぜここにいる?
そう言いたげな目をしてグレイスはファナを見た。
ファナは気まずそうに目を伏せる。
自分の下に来た招待状なのだと皆を言いくるめて出てきたものの、いざその命令を出したグレイスに会うと後ろめたさで顔さえ合わせずらい。
「どうし……」
「私がファナ様をお茶会に誘ったのです、陛下。ファナ様に罪はありません」
グレイスが口を開きかけた途端、今まで黙って事を見ていたキルが前に立った。
驚いたのは自分だけではなく、グレイスも言葉を見失っているように見える。
ただなんにしろキルが助け舟を出してくれたのには変わりない。後で礼を言わなくてはいけない。
「事情は察しかねますが、今日だけはお許しいただけないでしょうか」
グレイスはその言葉に眉間に皺を寄せた。
グレイスは何が不満なのかファナには分からない。だが、黙りこくってしまったグレイスを見てファナは耐え切れずに口を開いた。
「私は帰ったほうがよろしいですか?」
自分が発した言葉にも関わらず卑怯な言葉だなと思った。
これを言われて帰れなどと言えるようなグレイスではない。
しかも自分から出て行ったのだ。なのに今度は帰るなど自己中も甚だしい。
「いや、構わない。楽しんでくれ」
「ありがとうございます、陛下」
礼を言いつつ、自分のことを呪った。
頭を下げていたから彼の表情がどんなものだったのかは知らない。
でも……
「そうとうショックだっただろうね」
突然降って来た言葉に驚いて顔をあげる。
キルはこちらに目を合わせないまま口角の上げた。
嫌な目だ。
吐き気がこみ上げる。そうさせたのは自分であるはずなのに、まるでそうさせられたのではないかと疑ってしまう。
「貴方には関係のないことだわ」
強い言葉で会話の深入りを拒絶するとキルはそれ以上は問わなかった。
だから気付かなかったのかもしれない。
お茶会の間キルが鋭い視線で自分を睨んでいたことを。
自然と手に力が篭もる。
手には尋常でないほどの汗が伝っている。
「……ルイ」
「うん」
後ろに立っているルイを呼ぶとルイもグレイスの言いたいことが分かってると言うように相槌を打ってきた。
ルイのことだ。
相当優秀な奴を彼女に付けていることだろう。
彼女に気付かれないような優秀な影を。
だが、このいいようのない不安はなんだ?
何か嫌な予感がする。
ちゃんと説明して置けばよかったのかもしれない。
そうしたらファナもお茶会などに出ることなどしなかっただろう。
「くそっ」
ダンッと叩き付けた机はカタカタと揺れた。
部屋に戻ったらすべてを話す事を心に決めてグレイスはひたすらファナの無事を願った。
今後も亀並みの更新ですがよろしくお願いします。