エロゲ転生、かえでさん、○っちゃってください
「よい…しょっ! おぉー…広い場所―」
「優月様、ここがゴールでしょうか?」
RTAで必ず通る場所。背景スチルでよく見た光景。
初心者ダンジョン、コンクリートのような素材の壁に四方囲まれた、2階層最奥の間。
「だな。先に進めそうな階段とかギミックもないし」
「じゃあ千花たちが一番乗りなんですねっ♪」
あとはクラスメイトが揃うのを待つだけだ。
「道中いろんな敵がいましたけど…」
「ほぼ一撃でしたね」
「実は僕たちって強い?」
間違ってないけどそれはどの敵もギリギリ2桁に届くHP設定だったからだよ。
とは指摘しようとしたけど、実際に言わない。
「やっぱりスライムって物理が効かないんですねっ」
「兄ちゃんの言う通りだったよ」
衝撃がうんぬんかんぬん、って適当にほざいたけど、どこかのファンタジー小説でもそう説明していたし、ショコ゛スとかもろ物理効かんしな。
…その前にアイツと敵対したらSAN値減りそうだから嫌だ。食べるなんてもってのほかじゃい。
「小さい頃からいろんなことをさせられましたからねぇ~♪」
「このダンジョンならいくらでも回れそうだね」
何度も回るのかぁ…。できれば他のダンジョンにしてもらえるとありがてぇなぁ。
経験値が旨くない、敵が弱すぎる、タイムアタックに向いてない。
アインストはチュートリアルだから、進むのは次のダンジョンかなぁ…。
このアインストダンジョンをタイムアタックするなら最速クリア報酬でもいいけど…チームで上層を挑むと中身がしょっぺぇんだよな。
「しっかし~…千花たち宝箱以外はまっすぐきましたよね?」
「うんうん。でも誰にも会わなかったね?」
「えぇ。誰もいないから、てっきり私たちが最後かと思いました」
…あれ? 次ってどっちのダンジョンだ?
「お兄ちゃん♪ どうしてわかったんですか~?」
「ん? 運と直感だな、こっち~あっち~って思ったらアタリを引いていただけだぞ?」
「そうなんですねっ♪ さすがお兄ちゃん♪ 大好きですっ♪」
「兄ちゃん、直感はずば抜けて良いよね」
「とてつもなく運は悪いですけど」
キミはいつの話をしているんでしょうかね?
あれか? 魔族の時か?
それともカラスか犬のフンか? あ、ペンギンショーで空腹のペンギンに指立てて煽られた時の話か?
「んなことはどうでもいいだろ? それよりもほら、誰かきたぞ」
サクッと話を切り上げる。
俺たちからみて北西の扉から入ってきたのは…四人組。
「んァ? どこだここは?」
「どうやら一番奥まで来たようだな」
「ふむ、やっと着いたでござるか」
「神の導きに感謝を」
「ん? どうやら先客がいるようだ」
ヤンキーと上級貴族、忍術使いと聖職者の男だけのグループが入ってきた。
意外とこのパーティも構成は良いんだよな。
…忍術使いとヤンキーが道に迷って後発の二人と合流したか?
「うい、お疲れさん」
「お疲れ様です!」
「怪我は…ないみたいですね♪」
「みなさん、ご無事でなによりです」
あっちも気づいたようで近づいてくる。
となると残りは女子グルだけか。
あっ、いまヤンキーと目が合った。バトルか!?
「……チッ、テメェらも来てたんか」
違うみたいだ。
「あぁ。少し前に入ってきたところだぜ」
「うん、えっと…迷った?」
「迷うことはなかったが、いろいろ話をしていただけだ」
瑛士と上級貴族が話ししてる内容を聞いてる限りだと、戦闘イベントは回避したようだ。
…そういえばヤンキーのヘイトが今回は俺に向いてたから、瑛士が絡まれることはなかったんだな。
…回避してよかったんか? 別のことでフラグ回収すればワンチャン?
「ところでそちらの女子は…優月殿の?」
ゲームの時よろしく、下世話な話に繋げたがる忍術使い。最後まで言わなかったのは評価するけど、実際に言われるとイラっと来る。
「そこはお前さんの想像に任せるわ」
「なるほど、……ふむ、さん――――」
「えっ、お兄ちゃん? どうして千花のお耳を塞ぐんですかぁ?」
「かえで」
「はい」
なにも言わずニッコリと微笑んで誤魔化してかえでを召喚する。
大事で大好きな俺の妹に汚い言葉など聞かせられんわ!!!! 説教してやる!
「殺れ」
「かしこまりました」
かえでさんがな!!
かえで黄門。。。




