表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/47

エロゲ転生、お前のことやぞ

 さて、この超初心者向けダンジョンこと「アインストダンジョン」は地下2階までで、トラップもいやらしい攻撃手段を使う敵もいない、お手軽ダンジョンだ。

 敵も雑魚敵の「ビッグラット」や物理攻撃が通じにくい「ナメクジスライム」、すばしっこくて攻撃をかわしてくる(初心者にとっては)厄介な「キラービー」など、チュートリアルにふさわしい敵がぽこぽこと溢れてくる。

 といっても敵が一つに集まる部屋(モンスターハウス)があるわけでもないので、油断さえしなければ囲まれていようと突破できる。

 ただ、さっき上層とは言ったが、それはあくまで表面的な上層のことをさし、実際の上層は10層まである。下層に行けば行くほど徐々に難易度が上がっていくが、あくまで常識の範囲。工夫と作戦を練った戦術次第では初心者パーティでも10層までは到達と攻略が可能だ。そしてその奥から進める中層からが本番となり、一気に難易度が挙がっていく、他のダンジョンに説教したくなるほどの正統派なダンジョンという仕様になっている。どこかの1階層からランダムエンカウント&モンスターハウスたっぷりの鬼畜ダンジョンとは大違いだ。そのダンジョンが今の地域から遠くてとってもありがたい。

 聞こえてるかい『ダイタロスダンジョン』くん。お前のことだぞ。

 とはいえ、ここまで復習しながら進んでいるが、俺たちはダンジョンについて予習をし、さらに敵と戦うことを想定した訓練もしていたから、苦戦するようなことはない。

 現に一回も戦闘に参加していないしな。俺。

 道中は物理主体なら千花と瑛士が、魔法主体なら瑛士を盾にかえでが攻撃と、それぞれが対応できているから俺の出番は特にない。

 ワイ氏、ダンジョンニート爆☆誕!

 まぁ……強いて言うならトレジャーハントか?

「お、宝箱発見」

「「!」」

 俺の言葉に瑛士と千花の目が輝いた。

 昔から「宝箱」とか「お宝」っていうと二人はテンションが一気に上がってたな。

 まぁ俺が宝箱と称して適当に作ったオモチャとかをそれっぽい宝箱にいれて屋敷内に隠した後で二人に探索させていただけだけど。

「中身はなんですかっ!?」

「兄ちゃん、早く早く!」

「開けてもいいですかっ!?」

 …千花と瑛士が期待した目でみてくる。

 ここは…。

「瑛士、宝箱を空けてみるか?」

「えっ、いいの?」

「あぁ、もちろん」

 …特にアインストダンジョンの上層はトラップとかないから問題はなかろう。

 それに各スキルの経験値は「操作したキャラ」に溜められていく仕様だ。この万能型キャラ(間宮瑛士)に宝を探させていたのもそれが理由の一つ。でもこの現実世界では、経験値ではなく経験になるだろうけど。

「~♪ ……ん? これは…緑の液体?」

「MPチャージ薬、魔法を使うための回復薬だな」

「そっかぁ~…。じゃあこれは兄ちゃんかかえでさんかな」

「今はかえでに渡すほうがいいかもな」

 瑛士や千花は初期で攻撃にMP消費をしない、俺は魔力切れになることはめったにない。となると消去法でかえでが持つのが順当だ。

「わかりました」

 手渡された緑の液体が入った小瓶を腰のポーチにいれるかえで。この世界にアイテムボックスらしい、時を止めて大量に保存できる、そんな便利なものはいまのところない。ゲーム時は中盤から使えるようになる…、というより成績優秀者の評価報酬かダンジョン踏破報酬で取得できるようになる。

 ……うん、持ち運びが非効率だから早めにほしいな。

 取得条件は一度目の前期中間考査後から…だが、あくまで条件が解放されるだけで成績とステータスの伸び率から、正道のルートでは中間かとあるダンジョンのクリア報酬、ということになる。

 低レベルクリアや最速でアイテム回収率100%~、ほかには完全クリアのany%とか、姫トラの攻略者(偉人様廃人様)たちのプレイ動画では運次第で最初期に取得することができるけど、今はしない(・・・・・)

「急ぎの攻略ってことでもないし、見つけたら今みたいに瑛士に開けてもらおうかな」

「うん! 任せて兄ちゃん!」

「ぷむぅ……千花も開けたい~…」

 千花は駄々をこねる。

「千花はー…あー、またあとでな?」

「む~…はぁい」

 むくれる千花を頭を撫でて宥める。

 経験値は千花じゃなくて瑛士に渡して戦闘経験値を稼いてほしいんだよなぁ…。

 最高効率だけならまだしも、現実の世界だから好感度とか絆ゲージとか、目に見えないステータスも考慮しないといけない。

 …それ以外にもリアルで失敗するのは命取り、それもかかってるのが命だからなおさらだ。子供の頃の魔族を相手にしたときに身をもって実感したし…。巻き込まれ系主人公(間宮瑛士)だっていることだから、とれるマージンはとっておかないと。

「それじゃ先に進むぞー」

 それぞれも問題も疲労もなさそうだから、大丈夫だろうし…。

 というかあと2つ部屋を抜けたらゴール…という名の強制イベントだから、さっさと出た方が回復できる。

 …みんながどれだけゴールにいるかにもよるけど…。

(まっ、大丈夫だろ)

 誰かが死ぬような敵がでるわけでもないし、今はゴールだけのことを考えよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ