第零話その1「ロイマー箴言~共に祈りを捧げるのですっ!」
新訳/ひめまおっ!? はっじまります(^ー^)
未熟者ですがお楽しみくださいね~( ≧∀≦)ノ
姫様、姫様。ルインネイス王女様。しかとお聞きください。これより陽光は天空の台座よりお隠れあそばして、代わりに【黄金の円環】が据えられまする。
は? 【黄金の円環】ならばこの小国の宝物庫にもあると?
お戯れをもうしますな。
矮小なる我らヒトのが拵えた宝飾と同列ではありません!
現出する【黄金の円環】は世の凶兆。
聖なる造物主様がお生みなされた生命の源たる陽光を覆い隠すもの。魔に蠢く存在たちが歓喜して猛り狂う証。
つまりは邪なるもの。悪なのです!
姫様、魔に潜む獣どもに好奇を抱くのは断じてなりません! 彼奴らこそが総ての元凶、彼奴らこそがこの世に混沌を導いた大罪人なのです!
大古の時代。聖龍フラウバルクリムを騙し討ち、その首を盗み出した。龍の巫女を拐かして、子を孕ませ、魔の種を世界中に撒いた。争いやいさかいを好み、正しき者、弱き者を鋭き顎で喰い千切る。
彼奴らには心はありません! 他人を思いやる感情も、慈しむ情緒も。妬み嫉み奪い犯し引き裂き砕き嘲り罵倒し、ヒトたる我らに悪を強いるを業とする。そんなおぞましき存在です。
は? つまり何が言いたいかですって?
熟慮くださいませ姫様!
【黄金の円環】が天の座にあるのは、ほんの一昼夜に過ぎません。しかし彼奴らにはそれで充分なのです!
数年に一度。ほん数刻を狙って彼奴らは爪を研いでいるのです!
封印されし東の果てより平穏な世界を蹂躙するために、血肉を喰らうことを乞う悪鬼の衆。
ルインネイス様、よくお聞きください!
決して気を許してはいけません。用心を怠ってはならないのです!
彼奴らは人知れぬ深淵の回廊を、音もなく這いずるのです! 醜く惨たらしい姿を覆い隠さず、嫌悪すべき黄金の眼球を爛々と輝かせて、ルインネイス様をたぶらかそうと画策しているのです!
ゆえに我らは祈るのです! 聖なるものに、慈悲深き守護者様に、清浄協会の巫女様にっ!
さあ姫様、聖印を手にするのです。聖句を唱えましょう! 詩編第9章、19節は暗唱できますね!
聖龍フラウバルクリムが、最初の天帝様をお生みになられた偉大なる歴史の一幕を!
迫り来る【黄金の円環】を退けるために、共に祈りを捧げるのですっ!