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ゆる~く書いていきたいです。また付き合ってくださる方、初めましての方、宜しくお願いします!
私はめちゃくちゃ疲れていた。
立て続けに同僚が風邪にかかり、その穴を埋めるために十連勤したのだ。
おまけに今日だけ変則的なシフトだった。まだ夜の九時だが、昼夜逆転生活を送っている私は、ひっじょーーーにおねむである。いやマジで仮眠とっただけだからもう目蓋と目蓋がくっつきそう。
よく店で寝なかった。最後まで完璧に接客できた。私偉い。偉いぞ。店長にも褒めてもらった。へへ。
まだまだ飲食店の明かりで賑わう通りを抜ける。この辺はむしろこの時間からが稼ぎ時だ。
リビングのソファで寝ちゃおうかなぁ。でもシャワーは浴びないと身体が気持ち悪いな。酒くせぇし。いやその前に何か水分補給した方がいいか。喉乾いた。あーもー何か色々具合悪い。めんどくせぇ。
そんなこんなで意識が朦朧として寝落ちしかけていた私は、全く気がつかなかったんだ。
玄関に私のでもリクのでもない靴があることなんて。
じゃなかったら重い身体を引き摺ってでも家から出てったのに。
「あっ……っ、んん、そこぉっ、そこ、もっとぉ!」
「言われなくても……ッ! ほら、ここだろっ!?」
「あん、っはァ、良ぃっ……!!」
おいおいおいおいおいおい。
ふざけんなクソ野郎共~~~!!?
リビングの隣にあるリクの部屋から大音量で聞こえてくる喘ぎ声。絶賛お楽しみ中である。
十連勤の追い打ちがこれかよ!?
言ったよな!? 今日は早く帰るって言ったよなァ!?
つーか、そもそも連れ込むんじゃねーーーーーよっ!!!
もちろん全部脳内絶叫だ。
元気だったら実際に怒鳴り散らしてたと思うが。
「……何かもぉやだぁ」
激しい怒りとは裏腹に、呂律の回らない弱々しい声が漏れる。
もう身体が動かないし、今から宿探して出てくとか精神的にもっと無理。
「……知らね。もーいいや。寝よ」
何も考えたくなくなって、私は気絶するようにソファに倒れ込んだのだった。