密着取材、主婦の一日
ツッコミ「人の一日の過ごし方、興味あるよね」
ボケ「僕は興味ありません」
ツッコミ「ということで、主婦の一日の始まり始まり」
ボケ「午前五時、リンリンリンリンという携帯電話のアラーム音によって、否応なしに主婦の一日は始まりました。実況はわたくし丸々、解説は三徳さんでお届けします。三徳さん、宜しくお願いします」
ツッコミ「宜しくお願いします」
ボケ「本日は主婦の一日の様子が確認しやすいよう、家の中には寝室、居間、台所、廊下、玄関の五箇所に定点カメラを設置しております」
ツッコミ「観察しやすいですね」
ボケ「有り難うございます。解説の三徳さんはA大学のご出身とお聞きしていますが、今回ご参加の主婦も何とA大学の付属幼稚園の出身だそうです」
ツッコミ「A大学は奈良県にありますが、付属幼稚園は……確か……島根県、でしたかね?」
ボケ「惜しいですね。三徳さん、正解は鳥取県」
ツッコミ「鳥取県ですか。蟹が美味しい県ですね」
ボケ「さすが三徳さん。ご参加の主婦はなんと蟹座なんです」
ツッコミ「おっ、では私と同じ星座ですね。ご縁がありますね」
ボケ「さすが三徳さん。ご参加の主婦に昨日嬉しかった出来事をお聞きしたのですが、特売品のモヤシを五円で購入出来たことだと仰っていました」
ツッコミ「それはまた凄い。僕はモヤシはナムルが好きだなぁ」
ボケ「ははは、ご参加の主婦はモヤシを冷凍したそうですよ。安く買って即冷凍。さすが、活きる主婦の知恵ですね」
ツッコミ「冷凍ですか。凄いな。我が家は冷凍庫がぎゅうぎゅう詰めで何が何やら。はっはっは、いやいや、お恥ずかしい」
ボケ「ご参加の主婦は冷凍庫だけ、と冷蔵庫の2台使いですからねー。お家の中の端々に、生活の知恵、工夫が見えますね。三徳さん」
ツッコミ「そうですね。冷凍庫だけのものは元々業務用だったのかな? 家庭用にしてはかなり大きいですね」
ボケ「さすが三徳さん。ご参加の主婦は六年前までは夫婦で精肉店を営んでいて、ご主人が失踪してしまい、店も畳んだそうです」
ツッコミ「そうなんですか。それは寂しいですね。子供さんはいらっしゃるのかな?」
ボケ「えぇー、資料によると、ご参加の主婦と亡くなったご主人とは六年前に再婚だったみたいですね。よって子供はいないと……」
ツッコミ「え? 再婚してすぐご主人失踪したの?」
ボケ「そうみたいですね。突然ご主人がいなくなって、ご苦労も多かったそうで。失踪だと、まだ死亡扱いにならないらしく、生活も貯金を切り崩しながらどうにか……という具合だそうです」
ツッコミ「あぁー、だいたい七年くらいですかね。死亡扱いに出来るのが。でも失踪でしょ? 生きてるかもしれないじゃない」
ボケ「ははは、ご参加の主婦はもう気持ちの整理はつけたと仰ってましたね。さすがにご主人が失踪してもう六年と長いですから」
ツッコミ「そんなもんですかね」
ボケ「そのようなものですよ。三徳さん」
ツッコミ「そういえば、あの大きな冷凍庫の前、床に白いこんもりしたものが見えるけど、あれは何なのかな?」
ボケ「はい、それは私も気になりまして。ご参加の主婦に昨日聞いたのですが、清めの塩だそうです」
ツッコミ「清めの塩? 何で冷凍庫前に。普通は玄関前とかに置くじゃない」
ボケ「扉の前だから、と仰ってましたね。そういう考え方もあるのかと、成る程なぁと感心しました」
ツッコミ「だったら普通の冷蔵庫前にも置くんじゃないの?」
ボケ「冷蔵庫は使用頻度が高いので、床に塩があったら邪魔になるからと……。冷凍庫だけのものは、予備的な扱いで、普段あまり使っていないそうで」
ツッコミ「そんなもんですかね」
ボケ「そのようなものですよ。三徳さん。あ、やっとご参加の主婦が出てきましたね。三徳さん」
ツッコミ「あぁー、本当だ。長かったね。本当」
ボケ「朝起きてすぐは腸の活動が鈍ってますからね。あ、えぇー、ではここで、ちょうどニュースの時間になりましたので、皆様、また後程」
ツッコミ「いやぁ~、主婦の一日、なかなかに興味深いね」
ボケ「トイレ入ってただけじゃん」
ツッコミ「そうだよね。さすがにトイレは気まずいよね。実況、女子アナが良かったかな」
ボケ「解説はミニスカポリスでお願いします」
ツッコミ「警察呼ぶんかい! 思いっきり疑ってんじゃねぇーか」
ボケ「そのようなものですよ」
ツッコミ「どんなだよ。もーえーわー」
2人「有り難うございました」←ボケは敬礼(^_^ゞ