表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

298/314

 298『この盗賊団は……』

「それで、盗賊団は現在どのような様子ですか?」


 ジェラルディンたちの訪問を受け、急ぎ現地から戻ってきたリカルドの父、ゴセック子爵と挨拶を交わしたあと、オリヴェルは早速情報を得ようとした。


「領内の僻地に近い村を3つほど占拠され、落とされています。

 村人たちの安否は不明です」


 ゴセック子爵は突然現れたこの2人に吃驚し、そしてリカルドを健康体に戻した事に驚愕し狂喜乱舞した。

 そして両者共に侯爵家の人間である。

 彼らは成り行きで、今回の盗賊団討伐にも手を貸すと言う。


「息子の事といい、何から何までお世話になります」


 子爵は深々と頭を下げた。




 いつになく周到な準備を整え、少数精鋭の一行は健康を取り戻したリカルドと共に、現在盗賊団と睨み合いを繰り広げているチョピ村に向かった。

 全員、ジェラルディンが付与を行った防具を身につけ、武器を携帯している。


「ジェラルディン様、同行されて大丈夫ですか?」


 ジェラルディンの事をよく知らないアンシャーネン家の騎士団隊長が心配そうに窺っている。

 だが、オリヴェルやリカルドはジェラルディンの力を知っていた。それがほんの一端であったとしてもだ。

 考えてみてほしい。

 馬を駆り、遠距離攻撃魔法を操る侯爵令嬢。

 護衛であるラドヤードと、実は戦闘侍女でもあったタリアを従え、その攻撃魔法で魔獣を一瞬で屠ってしまう。

 さらにその矛先が人に向かう事にも忌避感はなく、さすが王族といったところだろう。



「ジェラルディン様、そろそろです」


 つい先日、盗賊団の一派が遂に、小さいが町と呼ばれる集落に攻撃を仕掛けてきた。

 さすがに村のようにあっさりと落とされる事はなかったが、いくらかの農民に被害が出たようだ。

 そして集積されていた小麦を根こそぎ奪っていったと言う。


「この盗賊団はどのような連中なの?」


「元々は小規模な盗賊の集まりが、昨年あたりから急に大きくなって……おそらくいくつかの盗賊団が吸収合併を繰り返したのだと思いますが、今現在は300〜500人規模だと推定されております」


「多いな」


 オリヴェルが顔を顰めた。

 ジェラルディンはラドヤードと視線を交わし合っている。

 この時、予感は確信に変わった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] バカ王子か… アレか?自分の国でも作るつもりかな?! もう王さまから討伐許可出てるけどね…ご愁傷様。
[一言] そうなんじゃないかと思っていたらやっぱりアルバートっぽいねぇ。サクッと滅しかな。
[一言] あの元王子の盗賊団かな? 国際問題になるから馬鹿が自分の身元を喋る前に瞬殺しないといけないね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ