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 274『学院生活の始まり』

 公衆の面前での、まさかの再会。

 それも相手が従順してくるという、まさかまさかの出来事にジェラルディンは混乱している。


「あの、貴方も学院生だったのですね」


「はい、私も今年入学ですのでおそらく同じクラスになると思います。

 このオリヴェル、全身全霊を持って姫君をお守りいたします」


 ジェラルディンは絶句していたがしばらくして考えを改めた。

 この、犬のように纏わりついてくる男を忠犬として使うことを思いついたのだ。


「そ、そうですね。

 この町の事をよく知っている貴方が側にいてくれれば心強いです」


「はい、大船に乗ったおつもりでお任せ下さい」


 良く考えてみれば、学院では教室内までは護衛を入れる事ができないことになっている。

 なのでこのオリヴェルは護衛として恰好の存在であって、ジェラルディンも妥協することにする。


「ではこれから、よろしくお願いします」


 真に、真に不本意だが、この場を丸く納めるためにはしょうがない。

 変態を側に置くのは不安だが、オリヴェルもまさか人前であの姿を晒すことはないだろう。

 ジェラルディンはいささか混乱しながら入学式を迎えた。



 オリヴェルと言う異物が加わったが、ジェラルディンの学院生活は概ね平穏に始まった。

 まず王立学院の一年生は一般教養を学ぶ。

 そこから本人の希望や適正を見て進路を定めるのだが、不思議なことに魔法の授業というものはない。

 これは貴族家の魔法というのは秘伝のものが多く、個人個人の魔法もあるので、あまりおおっぴらにしないという理由があった。

 なので魔法の研究をするものは学年が上がってから、個人的に教授につく事が多いのだ。

 だがジェラルディンは学院側と話し合い、一年次から薬学を学ぶ事が決まっていて、多少スケジュールを圧迫するが、本人はとても喜んでいた。


「ジェラルディン様?」


 学院内のジェラルディンの休憩室はサロンと化していた。

 それを誘導したのはもちろんオリヴェルである。

 彼は自分の家、アンシャーネン侯爵家の派閥に所属する貴族家の子女を学内のグループとしてジェラルディンに紹介したのだ。


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― 新着の感想 ―
[一言] うーん? この無礼な変態男の付きまといを容認するの? あのジェラルディンが? ちょっと信じられないんだけど。。。。
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