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242『アルベモフに到着』

「はあ〜

 ルディン嬢はいつもギルドではこのような?」


「そうですね」


 今回、ポーションの単価が異常に高かった。それにこんな辺境でびっくりするような本数を買い上げたのは理由があった。


「ここ数年に渡る、魔獣の異常な増殖はすでに大陸全体に広がっているということでしょう。

 ここは国境の山岳地帯……人の目につかないところでダンジョンが出来ているのかもしれません」


 ラドヤードの表情は真剣だ。


「魔獣が多いから冒険者が集まる。

 そしてその魔獣が手強いため、ポーションの需要が高いのね」


「ルディン嬢、それにポーションの希少性があります。

 このように小規模なギルドでは次にいつ手に入るかわかりません。

 なのでこの機会に買えるだけ買ったのだと思います」


 ポーション代だけで金貨3200枚である。それにプラスして3つの依頼分、金貨840枚……総額金貨4040枚。

 ジェラルディンとしてはまずまずの収入である。


「サンドリアンさんには身内価格、一本金貨20枚でよろしくてよ」


「おお、それは助かります!」


 ついでに常備薬も押し売りしたジェラルディンだった。




 オストネフ皇国に入って王都までの見通しが立ったはずだったが、途中大雨に降られて街道が土砂崩れで通れなくなり、迂回を余儀なくされて予定がまったく立たなくなった。

 商都アルベモフまで、あとほんの数日だったのに、これから2日分ほど街道を戻り、馬車一台がやっと通れるような側道から山道を通って遠回りすることになる。

 そうして、いらぬ苦労をしてようやくアルベモフにたどり着いたのは回り道をしてから10日目、一行は皆クタクタに疲れていた。


 サンドリアンと明日の約束をしたのち、ドゥワームとの別れの挨拶を交わした後、ラドヤードとともに高級宿屋に向かった。

 今夜は、今までずっと神経を張り詰めていたラドヤードに報いるために、いつものように従者の部屋付きのスイートをとった。


「やはり宿はこのグレードでないと落ち着かないわね。

 ラド、今夜は侯爵邸に泊まるので、あなたはゆっくりなさい」


 夕食も部屋に運ばせることにし、ゆったりと手足を伸ばす。

 ラドヤードもこの数ヶ月間、ほとんど外すことのなかった防具をすべて外し、凝った首を回している。


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