202『ギルドへの販売』
ジェラルディンにラドヤードを加え、2人は依頼票を一枚一枚確かめて、抜き出していった。
その様子をスーザンは目を見張って見つめている。
「ざっと見たところでこのくらいありますが、よろしいですか?」
薬の類いや魔石のように小さなものならこの場で渡せそうだが、魔獣のパーツなどは解体してもらわなければならない。
その件を相談してみると、ここ商業ギルドでも解体部門があるそうでこの後案内してもらえるそうだ。
なかでもワイバーンの牙や爪、鱗などの素材依頼を取り上げていくとスーザンの目が輝き始めた。
「それっ、そのワイバーンの依頼。
ひょっとして1個体お持ちですか?」
「ええ」
1個体どころか、数えた事はないが何十匹も持っている。
「それをそのまま提供していただけないでしょうか?」
ジェラルディンにとってワイバーンなど何ということもない。
その場で快諾するとさっそく解体場に案内された。
「こちらに出していただけますか」
緊張感漂う中、倉庫のような広い空間に5メートルはあるワイバーンが現れる。
異空間収納から取り出したそれを解体担当の者たちが呆気にとられて見つめていた。
最初のブースに戻ってきたジェラルディンたちは次々と納品していった。
その結果、金貨320枚の報酬となり、この時点で隊商への依頼料は償却済みである。
「あと、こちらの依頼票ですが」
あらかじめ別にしていた薬系の依頼票を引き寄せたスーザンの顔が、心なしか強張っている。
「失礼ですが、ルディン様は薬師なのでしょうか?」
「ええ、まだまだ勉強中ですが、私は薬師です」
スーザンの顔がパァっと明るくなり、食いつくように迫ってきた。
「では、どのようなものを提供していただけますか?」
「そうですね……
薬品は傷薬や痛み止め、化膿止め、熱冷まし、下痢止め、風邪薬などと、あとはポーションですね」
「ポーションも……
それはどの程度譲っていただけますか?」
「それなりに在庫もありますので、そちらの希望される数を仰っていただければ」
「これから卸し先に連絡して、明日には数を上げさせてもらいます」
ジェラルディンは見本として【下級ポーション】と【中級ポーション】を一本ずつ預けることにする。
「それと、宿を紹介していただきたいのですが」
ジェラルディンたちはこの後、【月光をあびる宵待草】という宿屋を紹介され、そこでようやくひと息つくことが出来たのだった。
翌日、ゆっくり目の朝を迎え、遅い目の朝食兼昼食を食べて少し早い目に宿を出てギルドに向かった。
「もう少し食材を買っておいた方が良いかしら」
「ご実家からの提供もあるのでしょう?」
「そうね、唐揚げやマヨネーズなどをストックしておきたいわね。
それとパスタ類や米やキヌアも欲しいわ」
「米はともかくキヌアはここでは手に入らないでしょう。
それとオークの解体をしておいた方がよいのでは?」
ほとんど死蔵扱いになっている大量のオークを少しでも捌けさせるため、提供することを勧めてきた。




