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192『ジェラルディンとクリスティアン』

 影の国と呼ばれる彼の国は、黒の一族が治める国だ。

 ……黒の一族。

 貴族の上に君臨する王族の中でも、ひときわ異彩を放つ一族であり、恐れられる一族である。

 それは、各王家がわかりやすい属性であるのと違って【影】と言う捉えどころのないものであるのと加えて、影の中からの攻撃という、どう対処してよいかわからないところが恐れられる所以なのだ。


「ルディン嬢……いや、ジェラルディン姫、あなたは」


「名はルディンでお願いします。

 クリスティアン様、私はここではルディンと名乗っています。

 あなたもそう呼んでいただけませんか?」


「わかりました。ルディン姉様、ですね」


 にこにこと嬉しそうに微笑むクリスティアンだが、ヨアキムはさらに顔を強張らせている。


「そうよ、クリスティアン様」


 そしてようやく居間のソファーセットに落ち着いたジェラルディン、クリスティアン、おまけでヨアキムはメイドの淹れた紅茶でひと息ついた。

 いや、ヨアキムだけは未だに胃がひっくり返りそうな状況に置かれているが。


「そうだわ、クリスティアン様。

 お部屋はどうなさったの?」


「その間も無く、こちらに案内されてきましたよ。

 ジェ、ルディン姉様がお話を通して下さっていたのでしょう?」


「うふふ、あなたが姿変えをしてくるとは思わなかったから」


 漆黒を身にまとうクリスティアンは目立つ。だが、まさかたったひとりで現れるとは思っていなかったのだろう。

 フロントでは軽く混乱していた。


「クリスティアン様、よければこのお部屋でご一緒しませんこと?」


 ジェラルディンたちは使っていないが、この部屋にはゲストルームも付属している。

 従者ひとりも付けてこなかった件は、ラドヤードがカバー出来る。


「よろしいのですか? 姉様」


「もちろんよ。すぐにアンデルセンを呼んで手続きさせるわ」


 驚き過ぎたヨアキムは、一度許可を得て自室に戻った。

 早く自分を取り戻して、情報を集めてもらいたいものだ。


本日体調不良により、いつもより短文となり申し訳ございません。


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