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180『討伐出発』

 侯爵邸に戻ったジェラルディンは常になく気合いを入れて準備した。

 魔法職のユニホームと言うべきローブは各種防御魔法が付与されたアラクネ絹製。その上からつける、胸を保護する胸当ては古竜の鱗を使って作られている。

 編み上げのブーツも古竜の革製だ。


「では、頑張ってくるわね」


「お嬢様、ご武運を」


「ええ、ガッツリいってくるわ」



 高級旅館(ホテル)の部屋で待っていたラドヤードの前に突然転移してきたジェラルディンは、集合時間も押していたので早速中央門前に向かうことにする。


「主人様、今回はなるべく目立たないように、後方支援に尽力下さい」


「まあ、つまらないわね。

 トロールをドカンとやってみたいわ」


「それは……目立ちすぎると思うんですよ」


 ラドヤードの目が泳いでいる。

 ジェラルディンは残念そうにラドヤードを見上げた。


「ねえ、トラブルは覚悟するわ。

 ダメかしら?」


 今ふたりはすったもんだしているが、討伐隊のリーダーが貴重な魔法士を後方で遊ばせておくわけがないことを失念していた。



 いつものようにラドヤードに抱えられて集合場所に到着すると、周りの視線が一斉にふたりに向く。

 すでに到着していたギルドマスターも、まさかラドヤードが少女を連れてくるとは思っていなかった。

 それも、見たところ彼女は魔法士であるようだ。

 現在この町には一人の魔法士も存在せず、どのような能力だとしても貴重だ。



「諸君、よく集まってくれた。

 これから順次馬車に乗って、現場に向かう。

 1刻ほどの距離だ。

 皆、油断せず頑張って欲しい!」


  “ 応!! ”と応える冒険者たち。

 そんななかジェラルディンたちに向かってギルドマスターが近づいてきた。


「君の主人は魔法士だったのだね。


 初めまして。ギルドマスターをさせていただいているメッシーニです。

 お名前をお聞きしてもよろしいですか?」


「私はルディン、家名は事情があって控えさせていただきます。

 彼は従者兼護衛のラドヤードです」


「ではルディン嬢、率直にお聞きしますが、あなたの魔法はどのような属性なのでしょうか」


「詳しくは申せませんが、ニードル系だと思っていただいてよいと思います」


「ニードル系、ですか」


 威力によるが十分トロールに対応できるだろうと認識したギルドマスター、メッシーニはこのまま一緒に来るように言った。

 どうやら馬車に同乗するようだ。


私用でまだバタついてまして。

今回は少なくてごめんなさい。

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