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128『ダンジョン外でのひととき』

 ジェラルディンはラドヤードと相談して間を置かずにダンジョンに潜ることにした。

 一応、中2日を休息と準備に費やすことにし、今度は腰を据えて攻略するため食事の用意に余念がない。

 ジェラルディンは侯爵邸の料理長に大量の食事や弁当を依頼して、街中の屋台でも串焼きなどを調達した。

 ラドヤードは今一度装備を確認することにし、玄関ホールでその真っ最中である。




「では、もうすぐにダンジョン攻略を続けると?」


「ええ、このダンジョンの最高深度がどのくらいかわかりませんが、行けるところまで行ってみようと思っていますのよ」


「なるほど……

 では今日はラドヤード殿は」


「家で装備の整備をしておりますわ。

 今度は長丁場になりそうなので、準備万端にしておきたいそうですの」


 バルタンはジェラルディンたち2人ともがかなりの規模のアイテムバッグを持っていることを知っている。


「駄目ですよ。

 お送りしますので少し待っていて下さい」


 バルタンは持っていた書類を片付けると、となりの受付嬢に一言二言声をかけて、奥に消えていった。

 仕方なくジェラルディンは椅子に座って待つことにする。


「ルディンさん、こんにちは。

 このお茶はサービスです」


 食堂・酒場コーナーの看板娘コニーが紅茶を持ってきてくれた。


「まあ、ありがとう」


 花が咲いたような笑みを浮かべたジェラルディンに、コニーは思わず見惚れて赤面してしまう。

 そして照れたように調理場に戻ってしまった。


「美味しい、暖まるわ」


「それは良かった。

 コニーに言えば喜びますよ」


 外套を着込んでブーツを履いたバルタンが同じテーブルに着く。


「わざわざお仕事を中断させてしまって申し訳ないです」


「いえ、今日はもう上がりです。

 だからどこにでもお供しますよ」


「まあ、それではお言葉に甘えさせて頂こうかしら」


 こうしてジェラルディンはバルタンというこれ以上ないボディガードを得て、屋台の出ている広場に向かった。


「ルディン嬢のパーティーがこれほど短期の間に20階層のボスを倒すとは思いもよりませんでした。

 この分では記録更新も夢ではありませんね。

 でも、くれぐれも無理はなさらないで下さい」


 ジェラルディンは大きく頷いた。


「それと、こんなに早く攻略が進むと思っていなかったので、前回ラドヤード殿には言ってなかったのですが、今回は必要になりそうですので説明に伺わせて頂きます」


 ジェラルディンには何のことかさっぱりである。



 バルタンがジェラルディンに連れて行かれた屋敷はかなり立派な建物だった。

 だが中はあまり手を入れていないようで、玄関ホールではラドヤードが作業中であった。


「こんにちは、ラドヤード殿。

 少しお話があって、ルディン嬢についてきてしまいました」


 ラドヤードは訝しげである。

 その後3人は、一応形の整っている応接室に移り、バルタンが話し始めた。


「先ほどルディン嬢にもお話ししていたのですが、今回は何分にもダンジョンの攻略速度が早すぎて、お渡ししていない情報がありまして、その事についてお話しに参りました」


「一体どう言った話なんですか?」


「ダンジョン内の転移点の事です」


 ジェラルディンは何のことやらわからない様子だがラドヤードは違う。

 真剣な表情で食いついてきた。


「ここのダンジョンにはあるんですか?」


「はい、今わかっているのは一ヶ所……30階層にあります」


 ラドヤードがニヤリと口角を上げた。


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