追う者#02
「見張られているよ」
「ライカ、人数はわかるか?」
ライカは目を瞑り、辺りの魔力察知を行う。
「6…、7人」
「なんの集団だ」
「わからないけど気を付けたほうがいいかも」
隼人は閻狐ごとフードを頭に被り、ライカも同じようにフードを被る。
「とりあえず相手の様子を見るか」
そのまま気づいていない振りをしながら街中を歩き回る。
あくまでも観光をしているように見せかけながら。
ただ常に2人ほどの視線を感じることができ、付きまとわれているのは間違いない。
「何もしてこない」
「流石に街中じゃ目立ちすぎるからだろうな」
少しずつ人気の少ない場所へ移動していく。
一定の距離を保ったままついてくる様子を見れば、無差別に何かをするつもりではないようだ。
隼人たちは路地を曲がり人のいない裏通りへ入る。
入った裏通りは行き止まり、もし何かするのであれば絶好の場所である。
案の定誘われるように付いてきていた2人が路地に入ると、そこにはすでに隼人たちの姿はなかった。
「どこへ…」
「確かにここに入ったはずなんだけど…」
街中とは違い冷やりとした空気がその場には漂っていた。
「ひとまず連絡を…」
何かを取り出して外部と連絡を取ろうとしているのを、突然現れた隼人が止める。
「一体どこへ連絡するつもりだ?」
「えっ…」
「ちなみにもう一人もすで捉えているし、外からこの場所は認識ができない。蜃気楼の原理を利用して入口を消させてもらった。いまの状況を聞いたらわかるよな?」
抵抗はしないが少し声を荒げ慌てた様子をみせる。
「待ってください! 誤解です!」
「誤解? 俺たちをずっとつけてきていただろ? それに他にも仲間がいることはわかっている」
「だから誤解なんです!」
必死に訴える様子に疑問を抱きながら注意しながら話を聞く。




