表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.06~最凶の魂魄族:キストリン編~
88/314

ハビエル・アントン#02

 ハビエルの言葉に理解を示した二人は頭に被ったローブを脱ぐ。


 そこには隼人とライカの二人の姿。


 ハビエルは二人を怪訝な表情で見る。


「調べでは魔王とその眷属と聞き及んでいたが」


「その通りさ。俺の名前は隼人。そしてこっちがライカ。ただ眷属という呼び方はしないでほしいな」


 隼人の肯定により騎士たちにどよめきが走る。


 だが一切ハビエルは動じていない。


「あんたを見込んで話をしに来た」


「お前たちに見込まれる覚えはない」


 慳貪な態度を示す。


 まともに話を聞いてもらえる状況ではないのは見て取れる。


「単刀直入に言おう、俺たちと対等な立場として書面を通した盟約を交わしてほしい」


 城内にどよめきが起こる。


「魔族と盟約を交わせと?」


「突然魔王と名乗る人物が現れ、こんな一方的な提案を持ち掛け混乱を招いているのはわかってい

るつもりだ。だが、人間と魔族との争いは遠い昔に終わっている。これは今後の世界の発展のための提案だ」


「貴様! ふざけるのもいい加減にしろ!」


 騎士の一人が声を荒げる。


 だがそれを再び制するハビエル。


 王の器としてはかなり大きいようだ。


「なぜ我を訪ねた? ほかの3国も選択肢にあったであろう」


「あんたが一番話を聞いてくれるって教えてくれた人がいてな。ついでにこれも預かってきた」


 ローブの懐から筒状になった文書を取り出す。


 それを近くの騎士に持ってこさせるように指示を出し、受け取り封蝋を確認する。


 しばらく眺めたあとに納得をした様子で立ち上がり、ついてくるように声をかける。


 その様子を見た騎士たちからは大きなどよめきが起こる。


 それを無視して王座の裏にあるカーテンで隠された個室へと姿を消していく。


 隼人たちも部屋に入ろうとした時に騎士から怒号が飛ぶ。


「貴様ら! 王に何かしたら許さんぞ!」


「何もしねぇよ。とりあえず、城内の混乱を収めるのが今あんたたちにすべきことじゃないのか?」


「貴様の指図なんぞ受けん!」


 軽くため息をつきながらハビエルの後を追う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ