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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.06~最凶の魂魄族:キストリン編~
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ハビエル・アントン#01

 声からすると男と女。


「穏便に王との謁見を希望だったんだけどな」


「話によればこの国の王様は特殊な人だって言ってたし。それにしても暑いね…」


「まぁ確かに暑いなぁ…」


 門番を無視しながら会話をする二人組。


「用がなければここから立ち去れ!」


「いや用はあるんだよ。だから通してくれないか」


「王への謁見許可がないものは通すことが出来ない! それも貴様らのような異能者…」


「あー、もう!」


 女のほうがしびれを切らし、相手の声を遮りながら声を上げる。


 それに対して怯む門番。


「ただでさえ暑い国なのに、こんなローブずっと着てらんないよ」


「それもそうだな、さすがに堪える」


 フレムノは他の国に比べると随一の気候の高さを誇る


 そんな中、全身をローブで包めば暑さも自然と増す。


「というわけで通らせてもらうぞ」


 ふわりと優しい風が吹き、門番の顔を撫でる。


 その瞬間、門番の意識は落ち鉄の防具が音を立てながら倒れる。


 片手で城門を押し開け中へと入り、真っすぐ城内を進んでゆく。


 騎士たちに取り囲まれるが、次の瞬間には門番同様その場に倒れこむ。


 その全員が意識を失っている。


 そのまま迷うことなく謁見の間へ入り、王座の前で立ち止まる。


 膝はつかず忠誠も一切ない二人に騎士が取り囲む。


 それに対して王も立ち上がったり、逃げることもなく頬杖を突きながら見下ろす。


 王とは言っても様々な装飾を身に纏うこともしてらず、近しい服装を上げるとすればアラビアンナイト。


 そして想像よりも幾分も若い。


「あんたが現国王のハビエル・アントンか。周りに比べて随分と余裕がある王様だな」


「しゃべるな!」


 男の声掛けに怒号を上げる騎士。


 ただそれを王は片手で制する。


「一体何用でこの国へ来て、我の眼前へ現れた」


「先に言っておくが、俺たちに敵意はないことだけは信じてほしい」


「それならば、名を名乗り姿を見せるのが道理であろう」


「それはごもっともだ」

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