フレムノ王国
灼熱の気候を持つ南の王国フレムノ。
その城内が騒がしくなる。
そこに仕える騎士たちから焦りの表情も見て取れる。
「なぜこの国に!」
「知るか!」
会話というより怒号に近い。
「王はどうされている!?」
「それが…」
騎士は怒りと呆れが混ざった表情をする。
この非常事態に一体何を考えているのか。
それが理解できないといった表情。
仕えるべき君主に対しての抱いてはいけない感情までもが沸き上がる。
「王座の間で待つなんて何を考えていらっしゃるんだ! こうしている間にも…!」
「来たぞーー!」
この状況をもたらした元凶が姿を現す。
その数2名。
騎士の警戒をも関せず固く閉ざされた城門前に立つ。
「止まれ!」
「何が目的でここへ来た!」
門番をしている二人が問う。
その手には槍が握られ厳重警戒だ。
全身に黒色のローブを纏いその姿を明らかにしない。
背の高い人物と低い人物。
背の高いほうは腰に剣を身に着けている
「答えろ!」
一つため息をつきながら背の高い人物が口を開く。
「ここまで早いものなのかね?」
それに答えるようにもう一人が口を開く。
「わかっていたことだよ」




