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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.05~第一部完結編~
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動き出す影#02

「今まで何をしていた、ベルザよ」


 ベルザの名を呼ぶと、影の中から姿を現す。


「ご無沙汰しております、魔王様」


「お前はっ!」


 驚きを示すグレイヴィッツに反して落ち着いてる。


 椅子に座る人物は魔王とベルザから呼ばれる。


「魔王様の帰りをお待ちしておりましたよ。今度のお姿はかなりお若いようですね。それにどうやらまだ本調子ではないご様子」


「今更お前の行動を咎めるつもりもない。だが、よく戻ってきた」


「なぜ今回は転生地点を変えられてのですか? あの城には慕う部下たちも待っておられましたよ」


「お前が仕組んだことだろう? だが、この場所もなかなか居心地が良い。力を蓄えるには十分だ」


 親しく話す様子はまるで、昔の旧友のような印象さえも感じられる。


「あいにく、まだ力を取り戻すには時間が掛かる。人間たちを滅ぼすのはまだ先になりそうだ」


「それではいかがしましょう」


「奴らを呼び戻せ」


「仰せのままに」


 ベルザは踵を返しその場を後にする。


 それを追うようにグレイヴィッツも離れ、城を出てたのちにベルザを引き留める。


「待て!」


「どうしました?」


「お前は一体何者だ」


「私は魔王様の側近をさせてもらっているだけですよ」


 普段と変わらない表情で会話をするベルザ。


「俺をどうするつもりだ」


「言っている意味がわかりません。貴方が魔王様に対してどのような感情を抱いているのか、ライカ様に接触をして何を企んでいるのか。そんなものに私は興味はありません。私は魔王様の側近として仕事をするだけです」


「あの男は? お前が魔王様と呼んでいたもう一人の男はどうするんだ」


「私は魔王様の側近として仕事をするだけです」


 その一言だけを言い残し、ベルザは姿を消した。


 残されたグレイヴィッツもその場から飛び立ち城を後にした。

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