決意#03
「これからどうするのか、という話だったな。俺は人間と魔物が共存できる世界を作るつもりだ。互いが互いに助け合う世界だ」
「そんな世界無理にきまっておるじゃろ。魔物の中には儂ら竜族のように人間対して理解を持つものもおるが、ほとんどの種族が人間に対してはよく思っておらん。それなのにどうやってそんな世界を作る…」
最後まで言いかけて何かに気づき言葉が詰まる。
隼人は口元を緩ませ少し笑う。
「俺が魔王になればいい」
「本気で言っておるのか?」
「今更、人間の王になってこの世界を統べるなんてのは到底無理だからな。それなら俺が持つ条件をうまく使っていくだけだ。魔王となり人間と魔物を繋ぐ。そうなればそれをよく思わない、恥ずかしがり屋の魔王様も姿を現すだろうし、もちろんいなければ話がスムーズに進むだけだ。ただそのためにはライカ、お前が必要だ」
ライカに向けて言葉をかける。
「起きてんだろ?」
小さなため息が聞こえたのちにライカは身体を起こし二人に向き合う。
「私はハヤトとの勝負に負けた。敗者は勝者の言うことを聞くのが竜族として掟。嫌でもそれに従うのが…」
「違うぞライカ」
「え?」
少しキョトンとしながら隼人を見る。
「俺はお前に力を貸してほしいんだ。勝者とか敗者とか、掟とかそんなのどうだっていい。もちろん嫌なら断ってくれて大丈夫だ。もちろんそうなると俺は非常に困るけどな。だけどお前の意思で決めてほしい」
「なにそれ…」
下を向きながらぽつりと言葉を漏らす。




