決着#04
「甘いよ!」
ただそれを逆手に取られ、隼人は地面に叩きつけられる。
「死角からならやれるとでも思ったの?」
「ごほっごほっ! 流石に無理か…」
隼人には動く力はすでに残っていない。
「さてと、最期に言っておきたいことはない?」
「たくさんあるなぁ…」
「ふ~ん」
ライカは興味なさそうにしながら、魔力で大きな槍を作り出す。
その槍は青白く、火花に近い雷が弾けている。
「まだそんな魔力が残ってたのか」
「雷翔ミリシア」
「え?」
「一度見たことあるよね」
雷翔ミリシア。
グレイヴィッツとの戦いの際に使用したライカの最強技だ。
巨大な雷が対象物を穿ち、空間を劈く魔法で威力や範囲も非常に優れている。
「これはそれを槍に変えたもの。もちろん範囲は狭まるけど、圧縮されていることにより威力はそれ以上。いや、比較にならない。もちろんこれを直接受ければ、対象物は跡形もなく消すことぐらいはできる」
「なるほど、それを俺にってわけか」
「雷槍ミリシア。この技はハヤトの魔力操作から編み出したものだから、お礼に名誉ある一人目にしてあげる」
「そりゃ光栄だ」
目を閉じ息を切らしながら会話を続ける隼人。
「そうしたら1つだけいいか?」
「なに?」
「相手のことはしっかり見たほうがいいぞ」




