決着#02
「流石に今回はやばいかもしれないな」
「その剣に魔力が吸収されるとしても、これだけの攻撃を防いですべて吸収は無理でしょ?」
「隼人…」
「閻狐は俺にしっかり隠れていてくれ。どうせダメならやるだけやってみるさ」
「見せてもらうよ」
ライカが手を前に突き出すと勢いをつけながら針が飛んでくる。
それをみて隼人も動き出す。
「スピードに関しては対応はできるが、まずは威力だな」
足元にある小石を拾い上げ針に向けて投げる。
小石に当たった針はそのまま貫通しこちらへ向かってくる。
「防ぐのは無理か」
隼人はある程度針を引き付けてからライカを中心に時計回りに走り出す。
針は追尾をしては来ているものの性能はよくないようで、地面にぶつかり砂煙を上げていく。
「追尾性能もよくなさそうなら、当たらなければ大丈夫そうだな」
ただもう一つの問題があるとすれば、その針の量である。
間違いなくこちらに攻撃は仕掛けてきているものの、ライカの周りに漂う魔力の針は数が減っていない。
おそらく消費するたびに生成を繰り返しているのだろう。
「隼人、ずっと逃げる続けるの? 時間がないよ」
「わかっているさ。だがライカの消耗も相当なはずだ。一つ一つは小さいにしても、常に魔力の放出と形成、操作の3つを行っているんだ」
「(放出、形成、操作… 結構キツイ… この魔力コントロールをハヤトは、私の攻撃を避けながら行っていたの? 消耗も激しいしそんなに長くは無理… おそらくハヤトは何かを考えているだろうし、そうなると明らかに不利になる)」
隼人の考えの通り、ライカの魔力消耗は激しい。
自身が経験したことだからこその推測ではあるが、ここまでの戦闘で多くの魔力消費をしているのにも関わらず、ここまでの攻撃を行えるライカの魔力量は膨大だ。




