再戦 隼人vsライカ#05
「くっそ!」
咄嗟に剣を振り球体を切断すると、一瞬のうちに消えてなくなる。
「はぁぁぁっ! クッソ焦った!」
「そういえば剣持ってるんだったね」
「本人が忘れちゃダメだろ。 ただ、なるほどな。 こういう感じか」
魔力を斬る感覚を確かめるように何度か剣を握りなおす。
物理的な抵抗はなく斬ったことすらわからないほど。
例えるとしたら薄刃の包丁で豆腐を斬っているような感じだ。
「それに、この球体の穴が見つかったぞ。クィル、一気にライカに接近できるか?」
「お主より速さには自信がある」
「それじゃ頼むぜ」
地面を強く蹴りまっすぐにライカとの距離を詰める二人。
ほぼ同じタイミングで蹴り出したのにも関わらず、すでにクィルはライカの目の前にたどり着いていた。
「流石に速いな。というか、あれだけ速いなら球体に足を取られていたのは嘘だろ」
少し遅れながらライカの前にたどりつく隼人。
二人を目の前にしても微動だにしないライカからは余裕を感じられる。
「それでどうするんじゃ?」
「とりあえずここにいる間は安全だ。なぁ、ライカ?」
少し口元を緩めながら笑った表情を見せる。
「正解」
「どういうことじゃ?」
「一見無差別に見えていたけど、実際はライカを中心に一定の距離に出現していただけだ。まぁそれに気付いたのもさっきの攻撃の時だけどな。まぁ、わかるようにしてくれたというのが正しいのかもしれないが」
「流石の洞察力だね。だからハヤトと戦うのは楽しいんだ!」
満面の笑みを浮かべる。




