母の想い#02
圧縮された魔力は暴発するギリギリで制御されており、非常に高度な魔力操作が行われている。
それを瞬く暇もない速度で打ち込む。
ライカに当てられた魔力はそのまま爆発を起こし、辺りを再び砂煙が覆う。
「次に目覚めたら大人しくなるじゃろう」
クィルを取り巻く魔力はなくなり、しばらくすると砂煙が晴れてくる。
竜族の王というにふさわしい圧倒的な力を見せつけた。
「…さすがにきっついな」
だが、その砂煙が晴れた後には手負いで息を切らしているが、クィルに対峙しているライカの姿があった。
微かに雷撃が壁となり展開している様子が伺える。
「なんで立っておる…」
「雷の壁、サンダーウォール。それでも完璧に防げたわけじゃないけど」
「魔力を放出以外の方法でコントロールしておるのか…? そんな使い方どこで…」
「どこで? うぅ…っ あなたは、だれ…?」
ライカに記憶の一部がフラッシュバックするように流れ込む。
「(一瞬だけじゃが魔力に乱れが感じ取れた。)ライカよ! ハヤトという名前に覚えはないか!」
「うぅ… あぁっ」
「そういうことじゃったか!」
まだ倒れたままの隼人の姿を視界に収める。
「こんな時に役に立たぬ男じゃの!」
クィルは一つの核心を持ち、ライカから離れ隼人の元へ駆け寄る。




