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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.04~竜の都編~
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目覚めた竜帝#02

「ライカ!」


「馬鹿者! 不用意に近寄るでない!」


 クィルに制されその場にとどまる隼人。


 その場から確認できるライカは何かを呟き、その眼は虚ろで綺麗な黄色い瞳は光を失っている。


 明らかになにか様子がおかしい。


「おい、大丈夫なのか…?」


「大丈夫に見えるなら、感動の抱擁でもしてみるか? その身体の無事は保証できはせんが。いまライカは過去の封じ込められた記憶で混乱しておる。しばらくすれば記憶の整理ができるじゃろう」


「それなら待っとけばいいのか?」


「お主に見せた記憶を思い出して、ライカが抱く感情はなんじゃろうな? もし儂が同じ立場であればこうなった恨むべき元凶を、消し去りたいと抱いてしまう。自分をこんな状況に変えた魔王をな」


 徐々にライカが呟きが聞き取れるようになる。


「…た…いの? ち……う、私… じゃ… ない。ちがう… ちがう… ちがうちがうちがう違う! 違う!」


 ライカはその場で大きく叫び、力が抜けたように下を向く。


 ゆっくり顔を上げこちらをしっかりと見据える。


「アンタがわるいんだ」


 ライカがそう小さく言葉を発し、気付いた時には隼人のいた場所にライカが立っており、隼人は吹き飛ばされ壁に勢いよく激突する。


「ハヤトォ! 何をしておるライカ!」


「悪い子は全部殺さないといけないんだよ」


 向けられた表情はあの時は違う、憎悪に満ちたものだった。


 それはクィルが怯んでしまうほど殺意が込められていた。


「まさかここまでとは…」


 クィルは隼人の元に駆け寄り安否の確認を行う。


 壁が一部壊れ隼人は瓦礫の下に埋もれるように倒れている。


「息はあるようじゃが、これじゃ無理じゃな」


「簡単には殺さないよ」

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