ライカの過去#02
再び映像が切り替わり、今度は大きなテーブルを複数の人物が囲んでいた。
その中で中央に座る男が話を始める
『この度のライカの行動だが、この件について何か言いたいことがある者はいるか』
黒い角を生やした男性が手を上げる
『レザヴィリオ申せ』
『今回のライカ嬢が行ったことは、到底一族として許されることではないと思っております』
『ふむ』
それに続き紅い角を生やした女性が手を上げる。
『ウィリリア申せ』
『確かに許すことのできないことですが、本当にそれだけでしょうか?』
『理由を申せ』
『ライカの話を信じるのであれば、何者かが介入しているということです』
『黒いおじさんってやつか?』
『まずはその存在に警戒をしておくべきではないでしょうか。何者がライカを狙っていると考えるべきです』
『だが、同族殺しは重罪だ』
重い空気の中話し合いが行われ続ける。
その中にはライカを殺してしまうべきだという声も上がる。
「なんだこれ…」
「竜族で権力を持つ者たちが集い、ライカの処分を訊ねたのじゃ。儂が知っておる以外にもライカは同族殺しを続けておった。遥か昔であれば同族殺しも問題ではなかったが、今は時代が違うのじゃ」
「あんた母親だろ! 黙って聞いていたのか!」
「儂がここで発言をしたところで、それは親としての見解でしかない。悔しくもこの場では儂に発言権はないのじゃよ」




