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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.04~竜の都編~
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王と帝#02

「先王が死ぬ前に、儂を後継者とする命を下したのじゃ」


「え?」


「先王は自身の死期を悟っておった。だからその前に儂に譲ったのじゃろう」


「…殺されたんだよな?」


 クィルの身体がピクリと反応し隼人を振り返る。


 しばらくの間、視線を交えたのちにクィルが口を開く。


「…お主何をどこまで知っておる?」


「詳しくは知らない。聞いた話と、この都の惨状だけだ」


「そうか」


 再び歩き出す。


「その通り、先王は殺された。力を得るために同族に殺されたのじゃ」


「竜族が力を得るために、同族を殺す話は知っている。それによって後天的な力を得ることも」


「…その話を知っておるということは、お主にはドラゴンの知り合いがおるな」


「いるよ。ただクィルもそれはわかっているんじゃないのか?」


「どうしてそう思う」


 隼人は先ほどクィルと話をしていた中で抱いた違和感を問う。


「さっき話していた時に、ライカのことを女の子だと知っていた。だけど俺はライカが女の子だなんて言っていない。アンタはライカのことを知っている。」


「なかなか聡明じゃな。その通り、儂はライカのことを知っておる。だからこそ、助けてやると言ったのじゃ」


「……それはライカが特別だからか」


 隼人はグレイヴッツの言葉を思い出しながら問う。


「お主はどう思っておる? ライカは特別か?」


「何を持って特別とするのかはわからない。でも大切だとは思っている」


「儂らが抱くライカへの思いも、それと変わりはせん。ただ何を勘違いしたのか、自分は違うと思い込んで一族を離れ、満たされるために力を欲し、王まで殺したアホがおる」


「(…グレイヴッツ)」


「一族の為とは言え、片方に構いすぎたのじゃ。だからその感情が生まれてしまった」

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