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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.04~竜の都編~
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王と帝#01

 クィルを先頭に出口を目指して森の中を隼人は歩く。


 その途中でいくつかの質問をする。


「王は死んだと聞いていたが」


「そうじゃな。王は死んだぞ」


「…でも、クィルは王なんだろ?」


「そうじゃな」


 要領を得ない回答を繰り返すクィル。


「そういえば、お主はいつまでその棒を持っておるのじゃ?」


「ん?あぁ、つい持ち心地が良かったってのもあるが、これは特殊なものなんだろ?」


 不思議と持ち心地の良い棒を持つと手放したくなくなる。


 小学生の時に手ごろな木の枝を見つけて、下校をしていた時のことを思い出す。


「ただの棒っ切れじゃぞ」


「…ん?」


「……」


 クィルは振り返り隼人から棒を奪う。


 それを両手で持ち半分に折ると、バキッと良い音が響く。


 そして半分折れた物を、その場に捨てまた歩き出す。


「ただの棒じゃ」


「…俺の聖剣キノーエダが」


「お主ネーミングセンスないのぉ」


 渡されていた棒がなんの変哲もない物というよりも、気に入っていたものがなくなった喪失感のほうが強かった。

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