ヴェノワール森林へ#01
辺りにある森林よりも色濃くその風景が目に映る。
「でもどうやって入るんだ?」
一見では上空から森林の中に降り立つ場所を見つけることができない。
「『元より私のような末端のドラゴンが、王に謁見する機会はないので詳しくは知りません。ただ、入口は森の正面だと聞いたことはあります』」
「森の正面って、どこが正面だ?」
純粋な疑問が漏れてしまった。
「…まずは降りてみましょう」
サラマンダも言葉に詰まりながら降下を始める。
地上へ降り立ち実際に森を目の前にしてみると、その巨大さが際立つ。
木々の一つ一つが大樹と呼ぶに相応しい。
「もう全てが入口みたいなもんだな」
「『竜族と巨人族以外なら問題なく入れそうですね。ただ神聖な場所であることには変わりが…』」
「それじゃ、入口を探すのも面倒だしそのまま侵入してみるか」
「『話を最後まで聞いてもらえますか?』」
「入口を探すったってこの広さじゃ無理があるだろう」
止められるのはわかっていた上での強行突破案だったが、やはり止められてしまった。
「『ここに案内をしたのは私ですが、それでも規律を破ることは許されません。王の間に足を踏み入れていいのは限られた者たちだけなのです。例えどんな状況であってもその規律は守らなければいけません。見ること出来るのは外ここまでです。中に入ることは決して許可がなければ許されません。さぁ、ここを立ち去り…』
サラマンダが隼人のいた場所に目線を戻すが、その場に隼人の姿はない。
「『まさか…』」
その心配は的中しており、隼人はサラマンダの意識が逸れたタイミングを見計らい森の中に足を踏み入れていた。




