表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.03~赤竜討伐編~
35/314

ミストセルラル

「ライカ、大丈夫なのか」


「『竜族は簡単に死ぬことはありません。それこそ腕がなくなっても腹に穴が開いても大丈夫です』」


「それは想像したくないが…」


「『ライカ様は著しく力を使ったため、眠りにつかれているだけだと思います』」


「そういえば、何もなく背中に乗せてもらったけどいいのか?」


「『ライカ様が認めるお方です。それなら喜んで従いましょう』」


 竜族の中ではやはりライカは特別な存在であることは間違いないようだ。


「『それにしても不思議なお方ですね』」


「ん?」


「『魔王様と伺いましたが、失礼ながら先代の魔王様のような禍々しい魔力を感じられません。どちらかと言えば勇者寄りの魔力を感じる事が出来ます』」


「…そんなことが、わかるのか?」


「『私たちのような竜族や、魔力に敏感な種族であれば容易です。その魔力で相手の実力も見極めることが出来ます』」


「そ、そうなのか」


 隼人は思考を巡らせる。


 サラマンダの言うことが正しければ、ライカはそのことに気付いているはずだ。


 もしかしたらベルザも同様に気づいているかもしれない。


 ただそれでも魔王として迎えられていることに疑問が浮かぶ。


「『私たち竜族は中立の立場なので、人間であっても魔族であっても認めた相手には従います。だから竜族同士の殺し合いもあります。ライカ様の思いは十分にわかるのですが、現実難しい事なんです』」


 竜族も複雑なんだな。とサラマンダの話を聞きながら思う隼人。


「『まもなく到着します。私たちが都と呼ぶミストセルラルです。もっとも今では面影はないでしょうが』」


 遠目に見えるその都は、近寄らずともその惨劇さを感じ取ることが出来た。


 未だなお消えぬ炎に上がる白煙。


 とても都とは呼ぶに敵わぬ景色をしている。


 隼人はライカを抱えたままその地に足を踏みいれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ